倒せ独裁! アウンサンスーチー政権をつくった若者たち
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倒せ独裁! アウンサンスーチー政権をつくった若者たち
山本 博之(著)
四六判 268頁 並製
2,000円+税
(カバー写真: Sai Zaw/The Irrawaddy)
民主化を求めて投獄されたビルマ(ミャンマー)の若者たちは、「獄中図書館」を開いた。むさぼるように学ぶことから、独裁政権への反撃は始まる。長い投獄の間に読み、学んだ若者たちが、釈放後、メディアや人権団体に加わって、再び声を上げ始める――
小説『1984年』で独裁を描いたジョージ・オーウェルが、大英帝国の警察官として若き日々を送ったビルマ。1962年、軍がクーデターによって政権を握り、半世紀にわたって独裁を続けたビルマで、なぜ、どのようにして、2016年の政権交代は起きたのか?
1988年に民主化運動に参加し、四半世紀の間、運動を率いてきたアウンサンスーチーが訴えたこととは? 独裁に抗った人々の思いとは?
序 板挟みになったジョージ・オーウェル
クーデター発生――独裁の始まり/「8888」デモ起きる/アウンサンスーチー登場/せめてジョークで/独裁の本質をつかんだジョージ・オーウェル/新聞は国営、雑誌は検閲/『1984年』の先へ
1 声明はひそかに配布された
日本から送られた声明――チョウマートエの物語/声明配って逮捕者46人?/「人には声を上げる権利がある」/獄房のトイレは丸見え/獄中で体重が36キロに落ちた
column1 闘うコメディアン
2 学生も教師も投獄された
政治囚は7000人以上/「国は作り変え可能です」/アウンサン将軍も学生活動家だった/「知性を磨け」「本を読め」とアウンサンスーチーはいった/囚人仲間から学んだ?/教室は監獄の野菜畑/英語教師の誕生/独裁と日本の援助と/チェコのハベルにもアメリカのブッシュにも会った/恩師は日本へ/プリズノミクスのおかげ/獄中でのレジ袋の使い道/日本語は暗号/演歌が獄房に響いた/亡命メディアの登場 /詩人は生きる歴史書/ジャーナリスト誕生
column2 そんなに僕らが怖いのか
3 私たちは、獄中で世界のニュースを読んでいた
獄中で図書館を開設/『タイム』を読んで国連のことを学んだ/数十冊か、100冊か/私は司書だった/亡命メディア『イラワジ』の帰国/図書館は四つあった/獄中の翻訳者/ジャーナリスト、ウィンティンとの出会い/「私には口がある。話をするために口はある」/アウンサンスーチー宅での英語教室に出席/手製の辞典で1000単語を暗記/研究所設立を目指して京都大学へ
column3 孤高の『ビルマ民主の声』東京特派員
4 声を上げる自由を得るために闘った
ビルマ大使館に抗議に日参/看守を味方に/塀越しに本を投げ込め/母メーシンの中華料理店/東京五輪選手だった父ティントゥンの投獄/ラジオを聴いて獄中速報を発行/看守も学びたかった/憲法をめぐる攻防――アウンサンスーチーの抵抗/政治囚から国会議員に、大統領に/「真夜中は夜明けの先駆け」――獄中で書かれた1行/「フリーダム・オブ・プレス」「フリーダム・オブ・プレス」「フリーダム・オブ・プレス」/トイレットペーパーに針で穴を開けたノルウェーの囚人
column4 ビルマを迎え入れた東南アジア諸国連合
5 独裁の再来を防ぐために
「鎖国」に戻るか、民主化するか/「ザーガナーを自由に」――ロンドンで上がった声/教えられたことを覚えるだけだった学校/「教育を受ければ、服従しなくなります」/国民民主連盟が開校/ナチス政権を生んだ反省から――財団の役割/先人の手助け/援助する側も試されている
column5 上のいいなりは独裁の始まり
6 独裁を倒す方法
不支持、不服従/本当の歴史を知るために、昔の本を探した/愛を強いる独裁者/国民民主連盟のナンバー2、ティンウーがシンガポールへ/「戦争は終わった」と日本語で叫んだティンウー少尉/「私にはグンジンセイシンがあります」/ネウィン将軍との出会い/ティンウー解任/ジョーカンドノに誘われて/アウンサンスーチーとの出会い/長い年月が準備した国民民主連盟創設者たち/「刑務所でいい友だちができました」/1人から始まる
終わりに/注/年表
【著者プロフィール】
山本博之(やまもとひろゆき)
1983年、朝日新聞社入社。大阪社会部、アジア総局(バンコク)、大阪企画報道室などを経て2010年退社。フリーランスに。
ISBN 978-4-8166-1606-8 C0031
2016年10月発行
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