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JR冥界ドキュメント 国鉄解体の現場・田町電車区運転士の一日
¥1,980
『JR冥界ドキュメント 国鉄解体の現場・田町電車区運転士の一日』 村山良三 著 発行:梨の木舎 四六型 164頁 定価 1,800円+税 ISBN 978-4-8166-2404-9 C0036 国鉄の分割・民営化は、中曽根康弘元首相による戦後民主主義に対するクーデターだった。 憲法を破壊し、その後の「失われた30年」を呼び込んだ。 中曽根による「国家的不当労働行為」は、150余人の労働者の命を奪った。 現場にいた国鉄元運転士(国労組合員)による渾身のドキュメントである。 目次 1章 招福神像の立つ駅で 出勤二日目の朝/員数外社員/出勤初日/点呼/「は、ず、さ、な、い、よ」/踏み絵/再び二日目の朝/カールビンソン/歩きだした「遺失物」のコート/JR冥界⁈ 2章 三六〇円で来た男 「交番へ行こう」/男の背後にあるもの/処分/組合間の確執/さらなる確執/「入浴事件」の顛末/嫌がらせ/自殺者/人活センター/魂のこと <寄稿:本書刊行に寄せて> 民主主義を破壊した中曽根改革/鎌田慧あとがき/関連略年表 帯 表 今の社会は抜け殻にならないと生きていけないのか。 見えてきたのは労働者同士仲間意識の崩壊だった。 失われた30年は社会の活力と経済成長を奪い、民主主義を「盆栽民主主義」に変容させた。 ―― 国鉄元運転士による執念のドキュメント ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「1987年の国鉄分割・民営化は、国有財産を民間に横流しするクーデターであり、 「中曽根革」の悪業だった!」 鎌田慧(本書刊行に寄せて) 著者プロフィール 村山良三(むらやま りょうぞう) 1939年 山形県生まれ 1964年 国鉄東京機関区の電気機関助士、国鉄労働組合(国労)に加入 1967年 田町電車区の電車運転士、東海道線・横須賀線・伊東線などで勤務 1987年 JRへの移行にともない新橋要員センターへ強制配転 1988年 新宿要員センターへ異動 1996年 JR東日本を退職 新日本文学会会員/井上光晴「文学伝習所」二期生/組合サークル誌「作家集 団」に所属 著作:『JRジプシー日記 国労の仲間達とともに』新日本文学会(1992年)
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銀河鉄道の夢
¥1,870
『銀河鉄道の夢』 飯島勝彦 著 発行:梨の木舎 四六判 上製 284頁 定価 1,700円+税 ISBN 978-4-8166-2207-6 C0093 陽炎のように儚い村里。それでも鳴き続ける蟋蟀でいたい。 銀河鉄道(小海線)に妻を偲ぶ著者終の小説集。 つれあいを亡くして三年目(二〇二一年)の夏、ようやく平常な盆が迎えられると思った矢先に、突然の急性肺炎で入院することになった。二十五日間の病院ぐらしのあと自宅に酸素濃縮器を設置。「パルスオキシメーター」(動脈血中のヘモグロビンの何%が酸素と結合しているかを示す『酸素飽和度』を測定する)に管理される生活になった。 (中略) 「あしたは最上階の五階へ移ります。リハビリ頑張って下さいね」消灯に来た看護師が告げていった。それをいま思い出す。 そうか、明日の夜はもっと、銀河鉄道が近くなるのだ。あしたこそはそこに停車し、乗車ができるのではないか。たぶん邦子も乗っていて、車窓に映る辿りきた道程の夢現を、共に見ることができるのではないか。八〇キロに未たぬ路線に三一もの駅をもつ銀河鉄道は、きつい勾配をゆっくり登坂しながらも、走馬燈のような目まぐるしい展開をみせるだろう。 それを見届けなければならない。そして、妻に会えるのならば、言いそびれてしまった一言を伝えなければならない―――「次の世も一緒に」。 「銀河鉄道の夢」が決まった。 (序より抜粋) 目次 序 少年......青春・姉・農協・結婚/奔馬 ......町議員兼務 (八年) 寒梅記......農協不正貸付(九億円)事件 父の螢 ......父母の終・挫折・産廃 モノローグ......息子の自死/モノローグ......孫の不登校 のんの口伝......叔母の戦争/陽炎の里......壊れる農村・壊す者 銀河鉄道......災害・戦乱・隣離れ・夢 著者 飯島勝彦(いいじま・かつひこ) 1939年長野県佐久市(旧望月町布施)生まれ。 県立野沢北高校卒業。 布施村農協、望月町農協、佐久しらかば農協に35年間勤務。 この間「館報もちづき」編集長、望月町連合青年団長、望月町議会議員を歴任。 退職後、農業を営む傍ら小説を執筆。 1998年「鬼ヶ島の姥たち」で家の光協会 第45回地上文学賞。 2004年「銀杏の墓」で第47回日本農民文学賞。 2006年小説集「埋火」で第23回山室静・佐久文化賞。 長野県佐久市在住。 日本ペンクラブ会員。 日本農民文学会長野支部長。 NPO法人多津衛民芸館顧問。 著書 『鬼ヶ島の姥たち』 (郷土出版社) 『埋火』 (郷土出版社) 『恍惚の里』 (郷土出版社) 『冬の風鈴』 (郷土出版社) 『夢三夜』 (梨の木舎)
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民衆の自己教育としての「自由大学」
¥3,520
『民衆の自己教育としての「自由大学」』 上田・魚沼・八海・伊那・福島・上伊那・松本・群馬・(越後)川口 長島 伸一 著 発行:梨の木舎 A5 並製 304頁 定価 3,200円+税 ISBN 978-4-8166-2201-4 C0021 1921年11月、真理と自由を熱烈に求め、社会的創造への参画を求めた青年たちによって、自由大学は始まった。民衆の権利「普通選挙」実施に向かう時代のなかで、彼らの学びが続いた。それから100年、ネット時代の私たちが彼らここから汲みあげるものは何か。 講座は、恒藤恭「法律哲学」、高倉輝「文学論」、出隆「哲学史」、土田杏村「哲学概論」、世良寿男「倫理学」、今中次麿「政治学」、谷川徹三「哲学史」など、そうそうたる教師人を招いて実施された。 【目次】 1章 若者たちの熱意から始まったーー上田(信濃)自由大学 2章 新潟県の2つの自由大学ーー魚沼・八海 3章 信南(伊那)自由大学へ広がる 4章 各地の自由大学ーー福島・上伊那・松本・群馬・(越後)川口 【著者プロフィール】 長島 伸一(ながしま しんいち) 1947年横浜市生まれ。1970年上智大学文学部新聞学科、1972年法政大学経済学部卒。 法政大学大学院社会科学研究科修士・博士課程を経て、1990年長野大学産業社会学部助教授、1995年同教授。 産業社会学部長、副学長を経て、2016年退職。長野大学名誉教授。 主著 『世紀末までの大英帝国』(法政大学出版局、サントリー学芸賞) 『大英帝国─最盛期イギリスの社会史』(講談社現代新書) 『ナイチンゲール』(岩波ジュニア新書) 共編著:『講座・英国文化の世紀』全5巻(研究社出版)『自由大学運動の遺産と継承─90周年記念集会の報告』(前野書店) 共著:『経済学の現在』(昭和堂)『クラブとサロン』(NTT出版)、『上田自由大学とその周辺』(郷土出版社)ほか
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むし歯ってみがけばとまるんだヨ 削って詰めるなんてもったいない!
¥1,650
むし歯ってみがけばとまるんだヨ 削って詰めるなんてもったいない! 岡田弥生(著/文) 発行:梨の木舎 四六判 192頁 並製 定価 1,500円+税 子どもたちに健全な永久歯列をプレゼントする歯の育児書!むし歯はとまる、とまっていれば大丈夫です。杉並で二十年間歯科健診医をつとめる岡田先生が長年の経験から得た、むし歯で削らないためのスキルとインフォメーションをお母さん、お父さん、おばあちゃん、おじいちゃんにつたえます。 【目次】 ●むし歯はとまっていれば大丈夫 ●むし歯には自然治癒がある! ●初期で見つければ削らずにすみます ●初期むし歯を止めるのはお母さん、お父さん ●がんで死なない、むし歯で削らないを目指しましょう ●主治医を選んで伴走してもらいましょう ●きょうだい関係とむし歯 ●フッ素に依存しないで、上手に使いましょう ●むし歯ごときでオッパイをやめるなんてもったいない ●「ハイシャ」か? 「ハカイシャ」か? ●歯には葉を! ●寝かせみがきはスキンシップ 両親で仕上げみがきごっこ 【著者プロフィール】 岡田弥生(おかだやよい) 1954年愛知県岡崎市生まれ。 東京医科歯科大学歯学部、名古屋大学大学院医学研究科(口腔外科学専攻)卒業。 主な著書『おいしく・生きる』『高齢期の口腔ケア』 受け手の側から歯科医療を良くしていくことを目指して「草の根歯科研究会」を主宰 (上記内容は本書刊行時のものです。) 【前書きから】 20年の経験から 東京都杉並区で20年、乳幼児の歯科健診に従事してきました。もしかしたら、日本の歯科医の中で、子どもの歯を一番多く診た幸せ者かもしれません。こういう仕事をしている歯科医は他にいませんから。(ほとんどの自治体では、開業歯科医が仕事の合間に健診に従事しています)。 20年の間に、私自身の健診の仕方も変化してきました。今も道半ばですが、この経験を世に問いたいという思いが強くなりました。のべ10万人以上の子どもたちの口の中を診て、いろいろなことを教えてもらいました。とりわけ、むし歯が治る、進行が止まるという経験は、衝撃的で感動的でした。それまでの10年間の歯科治療「削って詰めて抜いて入れ歯」に従事していましたから、むし歯に対する考え方が、すっかり変わりました。お母さま方の努力の賜物です。お母さま方から教えてもらったことを、他のお母さま方に伝えていくのが自分の務めだと思うようになりました。 子どもたちの健診ができるのは本当に幸せで、やりがいがあります。どの子も、どの歯も、個性があり、本当に可愛いと心から思います。歯は、口腔内環境を敏感に反映する律儀でけなげな器官です。私が診ているのは乳歯ですが、後に続く永久歯のために、大事な役割を果たして、どの歯も健康な状態で十分に働きたいと思っています。乳歯からのメッセージを受け止めないともったいないと思います。 丁寧に、きちんと歯の変化を診ていくことで、むし歯の治療はもっと減らせるはずです。それをお母さま方に知って欲しいと思って、この本を書いています。 これからの子どもたちは、むし歯が無いのが当たりまえになって欲しい、できるはずです。一人ひとりの、1本いっぽんの、歯が教えてくれること、歯からのメッセージを代弁できたらと思います。 後から振り返ると短い子育て期間を無我夢中で過ごした経験が私にもあります。楽しいけど忙しい子育ての中で、毎晩の仕上げみがきは負担でした。この負担感を少しでも軽くできればと思います。歯はけなげに応えてくれます。歯からのサインをきちんとキャッチすれば、むし歯を削って詰める恐怖から逃れるだけでなく、子ども自身が、歯を自慢、歯に自信を持って生きていくための助けになると思うのです。褒められることの少ない子育て中に、自信が持てる・楽しくなる、貴重な体験にもなるのではないでしょうか。 多くのお母さま方に励まされながら続けてきたこと、教えて頂いたことを一人でも多くの方に伝えられれば幸いです。 ISBN 978-4-8166-0802-5 C0047 初版発行年月 2008年2月