-
7人の戦争アーカイブ あなたが明日を生き抜くために
¥2,420
教科書に書かれなかった戦争 わたしたちの《歴史総合》PART75 『7人の戦争アーカイブ あなたが明日を生き抜くために』 内海愛子 編 鶴見和子/「水俣とアニミズム」 北沢洋子/反アパルトヘイト 鄭敬謨/在日評論家 高崎隆治/『戦争文学通信』 岡本愛彦/演出家「わたしは貝になりたい」 湯浅謙/軍医『消せない記憶』 亀井文夫/映画監督『戦ふ兵隊』 発行:梨の木舎 A5 254頁 定価 2,200円+税 ISBN 978-4-8166-2401-8 C0021 この危うい時代を私たちはどう生きるのか? 「聖戦」とは、「東洋平和」とは何だったのか? 実態は「強制連行」であり、「従軍慰安婦」であり、「731部隊」ではなかったか。 戦争の時代を生きた7人から、あなたにつなぐ《歴史総合》。 目次 鶴見和子:「小さな民」の視点から 北沢洋子:カイロで目からウロコが落ちた 鄭敬謨:板門店で“アメリカ”が見えた 高崎隆治:戦争と性――語られなかった強かん 岡本愛彦:軍隊とはこんなところだった 湯浅謙:「生体解剖」は日常業務だった 亀井文夫:占領軍に没収された『日本の悲劇』 著者 内海愛子(ウツミ アイコ) 早稲田大学大学院文学研究科社会学専攻・歴史社会学・日本ーアジア関係史 早稲田大学平和学研究所招聘研究員・恵泉女学園大学名誉教授 主要著作: 『朝鮮人BC級戦犯の記録』勁草書房、1982年・岩波現代文庫、2015年 『死刑台から見えた二つの祖国』(共編著)梨の木舎、1992年 『日本軍の捕虜政策』青木書店、2005年 『村井宇野子の朝鮮・清国紀行』(編)梨の木舎、2021年
-
民衆の自己教育としての「自由大学」
¥3,520
『民衆の自己教育としての「自由大学」』 上田・魚沼・八海・伊那・福島・上伊那・松本・群馬・(越後)川口 長島 伸一 著 発行:梨の木舎 A5 並製 304頁 定価 3,200円+税 ISBN 978-4-8166-2201-4 C0021 1921年11月、真理と自由を熱烈に求め、社会的創造への参画を求めた青年たちによって、自由大学は始まった。民衆の権利「普通選挙」実施に向かう時代のなかで、彼らの学びが続いた。それから100年、ネット時代の私たちが彼らここから汲みあげるものは何か。 講座は、恒藤恭「法律哲学」、高倉輝「文学論」、出隆「哲学史」、土田杏村「哲学概論」、世良寿男「倫理学」、今中次麿「政治学」、谷川徹三「哲学史」など、そうそうたる教師人を招いて実施された。 【目次】 1章 若者たちの熱意から始まったーー上田(信濃)自由大学 2章 新潟県の2つの自由大学ーー魚沼・八海 3章 信南(伊那)自由大学へ広がる 4章 各地の自由大学ーー福島・上伊那・松本・群馬・(越後)川口 【著者プロフィール】 長島 伸一(ながしま しんいち) 1947年横浜市生まれ。1970年上智大学文学部新聞学科、1972年法政大学経済学部卒。 法政大学大学院社会科学研究科修士・博士課程を経て、1990年長野大学産業社会学部助教授、1995年同教授。 産業社会学部長、副学長を経て、2016年退職。長野大学名誉教授。 主著 『世紀末までの大英帝国』(法政大学出版局、サントリー学芸賞) 『大英帝国─最盛期イギリスの社会史』(講談社現代新書) 『ナイチンゲール』(岩波ジュニア新書) 共編著:『講座・英国文化の世紀』全5巻(研究社出版)『自由大学運動の遺産と継承─90周年記念集会の報告』(前野書店) 共著:『経済学の現在』(昭和堂)『クラブとサロン』(NTT出版)、『上田自由大学とその周辺』(郷土出版社)ほか
-
村井宇野子の朝鮮・清国紀行
¥1,980
教科書に書かれなかった戦争72 『村井宇野子の朝鮮・清国紀行 日露戦争後の東アジアを行く』 Murai Unoko’s Travel to Korea and Qing (April 14th-June 16th, 1906): An Observation of East Asia in the Aftermath of the Russo-Japanese War 内海 愛子 編著 発行:梨の木舎 A5 並製 174頁 定価1800円+税 ISBN 978-4-8166-2106-2 漱石よりも3年前だった。新たな「帝国の版図」を、日本人女性が歩いた、軽便鉄道、軍用鉄道を乗り継ぐ全長8700キロの旅。 【はじめにから一部抜粋】 本稿は、明治の「たばこ王」と称された村井吉兵衛の妻、村井宇野子の六十日間におよぶ、朝鮮、清国の旅日記である。 (中略) 宇野子の夫、吉兵衛は、民営時代のたばこ業で財を成したが、日露戦争で国家財政がひっぱくする中で一九〇四年(明治三七)七月、明治政府はたばこ製造、販売を専売とした。家業を手放さざるを得なくなった村井吉兵衛は、その後、村井銀行を立ち上げるなど、多くの事業をおこしている。朝鮮での農場開発もその一つである。旅行は、この朝鮮の農場予定地の視察を目的としているが、さらに日露戦争で拡大した「帝国の版図」へと足をのばしている。日露戦争の戦跡が今なお生々しく残る清国を歩き、宇野子は何を見聞きしたのか。 【目次】 宇野子のたどった道(地図) はじめに ◇東京を出発 ◇玄海灘を渡る ◇釜山の街で 釜山地図 ◇京釜鉄道に乗って 村井農場地図 ◇大邱の駅で ◇朝鮮の首府 漢城 ◇日本人の居留地 泥峴 漢城復元図(19世紀後半) ◇景福宮 コラム閔妃暗殺日本人には知らされなかった歴史の事実 ◇大臣の家庭のありさま ◇龍山 ◇仁川 ◇平壌 仁川地図 ◇新義州 京義鉄道の終点 安東~奉天間 臨時軍用鉄道地図 南満州鉄道安奉線線路図 ◇九連城占領の記念日 ◇安奉鉄道に乗る ◇本渓湖 隠密行の西園寺侯爵一行と出逢う ◇奉天 清朝の起こった地 ◇鉄嶺 農産物の集積地 ◇遼陽 ◇大連 一億五千万円をかけた都市 ◇旅順・旅順陳列場へ 旅順要塞概見図 ◇二百三高に登る ◇東鶏冠山 北鶏冠山へ ◇二龍山 ロシア兵の埋まった ◇松樹山、望台 ◇遼河を渡る ◇天津 ◇北京 ◇黄河を渡る ◇漢口 ◇揚子江を下る ◇支店があった上海で ◇愚園 解説 新たな「帝国の版図を歩く」内海愛子 奥田豊己 村井宇野子と吉兵衛――その生い立ちと事業 宇野子と吉兵衛の旅 コラム 宇野子、60日間蒸気機関車の旅――高い鉄道技術と利権拡大 主な参考・文献資料 おわりに
-
ひろがる ベトナム希望レストラン
¥1,650
『ひろがる ベトナム希望レストラン 循環する支援 ベトナムの子どもたちとの25年』 ふぇみんベトナムプロジェクト25周年記念誌編集委員会 編著 発行:梨の木舎 A5 並製 160頁 定価1500円+税 ISBN 978-4-8166-2105-5 ●「はじめに」より抜粋 希望の村は民営で、その運営費の多くは寄付で賄われているが、2015年突然、大口の寄付がストップし、収入が激減した。留学生たちは心配し「私たち自身で子どもたちの支援をしよう」とアイディアを出し合い、「ベトナム希望レストラン」が生まれたのだ。お金をもらえるほどきれいに生春巻きを巻くのは簡単ではない。学校や仕事が終わった夜、みんなで集まって何度も練習する。支援されたものが支援する側に回る新しい力の始まりだった。一方向の支援ではない、いわば「支援の循環」がこうして動き出した。 【目次】 はじめに 一章 ベトナム希望レストランへようこそ ベトナム希望レストランって? こうして生まれた希望レストラン こんなメニューが食べられます レストランのメンバー リレートーク 1 レストランの一日 リレートーク 2 収益と使いかた つながる人々 二章 希望の村の子どもと里親たち 子どもたちと25年の強い絆を築いて 支援のはじまりと三つの「ふしめ」 子どもたちの生活 里子と里親のストーリー 「わが子」に会う日──ベトナムツアー 里親の声 社会貢献に関心──里親アンケートから 三章 自立する子どもたち なぜ自立支援なのか ろう教育──自立をめざして それぞれの自立 日越の架け橋に──留学する卒業生たち 自立支援110人 自立支援とその後のあゆみ──アンケートから 卒業生の働く場「さくらフレンズカフェ」 希望の村の子もカフェを楽しむ カフェではこんなことをしています 連続講座「もっと知ろうよ! ベトナム再発見」 さくらフレンズカフェと私 聴覚障がい者の縫製工場「アートさくら」 スタッフ 日常の記 さまざまな活動 ひろがる支援の輪 さまざまな活動 ひろがる支援の輪 ひろがる支援の輪を感じて ベトナムのみなさまへ──あとがきにかえて 編集後記 ベトナムとその周りの国々を知るスタディツアー 25年のあしどり 里親募集
-
韓国現代史の深層 「反日種族主義」という虚構を衝く
¥3,080
『韓国現代史の深層』 ――「反日種族主義」という虚構を衝く 金 東椿 著 佐相 洋子 翻訳 李 泳采 解説・監訳 発行:梨の木舎 A5 並製 350頁 定価 2,800円+税 ISBN 978-4-8166-2002-7 C3022 気鋭の韓国の社会学者による、日本における『反日種族主義』批判の書 解説・李泳采(恵泉女学園大学大学院教授) 韓国現代史の連続性と断絶性、その原因と背景を緻密に分析して明らかにした本が今までにあっただろうか? 日本でもベストセラー(?)となっている『反日種族主義』の問題点を根本的なところから批判的に検討する本『韓国現代史の深層―「反日種族主義」という 虚構を衝く』(金東椿著、梨の木舎出版)が翻訳出版されました。 著者の金東椿先生は、盧武鉉政権当時、真実和解委員会の常任理事として、韓国過去事清算をリードしてきた知識人です。文在寅政権に入って、なぜ改革が限界に直面していたのか、今日(4月15日)の韓国総選挙で市民社会は何を目指しているのか、「反日種族主義」の根本的な問題点はどこにあるのだろうか、韓国現代史の深層を根本から取り直している貴重な著作です。 【目次】 1章 民衆は国を失い、国は主人を失って———植民地と分断…………… 17 2章 「自由世界」の最前線———国家宗教になった反共・親米…………… 109 3章 闘いながら働いて、働きながら闘え——近代化の影…………… 209 ◉日本語版への補論――日本における『反日種族主義』旋風を批判する。 1.かれらは公に「親日派」を宣言した… 2.種族主義とは何か 3.「植民地征服」は「恩寵」である、について 4.重要な事実の隠蔽 5.朝鮮戦争の火種 ◉解説 李泳采…………… 335 「反日種族主義」の虚構を越えて―― 過去への懺悔と新時代への決意があるというなら、誰もが読まねばならない 李泳采(恵泉女学園大学教授) 【プロフィール】 著者 金東椿(キム・ドンチュン) 1959年、慶尚北道生まれ。社会学者。ソウル大学大学院で社会学博士学位を取得。『経済と社会』編集委員長、参与連帯政策委員長、真実和解のための過去事整理委員会常任委員などを歴任。現在聖公会大学社会学部教授。 日本で読める著作としては、『近代の影―現代韓国社会論―』(青木書店)、『朝鮮戦争の社会史』(平凡社)がある。 翻訳 佐相洋子(さそう・ようこ) 東京都出身。慶応義塾大学文学部史学科卒業。恵泉女学園大学大学院平和学研究科修士課程修了。 翻訳に『韓国・独裁のための時代』(彩流社)がある。 解説・監訳 李泳采(イ・ヨンチェ) 1971年韓国生まれ。恵泉女学園大学大学院教授。 著書に、『なるほど!これが韓国か』(朝日新聞社)、『韓流が伝える現代韓国』(梨の木舎)、『犠牲の死を問う』(梨の木舎)、『東アジアのフィールドを歩く―女子大学生がみた日中韓の素顔』(梨の木舎)『今、朝鮮半島は何を問いかけるのか』(彩流社)など。
-
恵泉×梨花=日韓・女子大学の新たな挑戦
¥1,760
『恵泉×梨花=日韓・女子大学の新たな挑戦』 大日向 雅美/金 恵淑 編 金 恩實 他 著 発行:梨の木舎 A5判 並製 定価 1,600円+税 ISBN 978-4-8166-1808-6 C0037 激動する東アジア、同じような社会変動に直面する日本と韓国、変わらない男女格差の社会で、女子大学はどんな未来を選ぶのか? 隣り合う日韓2つの大学の3年間の研究討論の記録。 【目次】 発刊にあたって 恵泉×梨花 いま、女子大学生に必要な高等教育を考える(2018年) 基調講演 今、あらためて考える女子大学の意義と使命 大日向雅美 ジェンダー平等と女子大学の未来 金恩實 コメント アジア女性との連携 梨花グローバルエンパワーメントプログラムの経験から 李明宣 恵泉の授業を通じて女性学に出会いました 山川百合子 フロアから 農業、自然・生活園芸・共生に向かって 澤登早苗 恵泉の平和教育 「平和のエリート」を作らない 上村英明 まとめ 新しい試みははじまっている 「恵泉×梨花:生涯就業力シンポジウムの歩み」(2016~2017年) 日韓ジェンダー問題の現状と課題 基調講演 日本の女性雇用政策の現状と課題 武川恵子 韓国女性生涯就業の現状と大学の役割 金善旭 韓国女子教育の現状と課題 金恩實 座談会 本当に女性が生きやすい社会になっているでしょうか ~♯Me too運動の広がりと韓国社会における女性のネットワーク 大日向雅美 金恩實 内海房子 執筆者プロフィール 大学紹介 【編者・著者プロフィール】 大日向 雅美 おおひなた まさみ 恵泉女学園大学学長 お茶の水女子大学・同大学院修士課程修了。東京都立大学大学院博士課程満期退学。学術博士。1989年より恵泉女学園大学に勤務。2016年から現職。 NPO法人あい・ぽーとステーション代表理事。国の男女共同参画推進連携会議議長、少子化対策・社会保障関連の審議会等の委員を務めると共に、地域の子育て・家族支援のNPO活動にも取り組む。2016年男女共同参画社会づくり功労者内閣府総理大臣賞受賞。著書『母性の研究』『母性愛神話の罠』『「人生案内」にみる女性の生き方』など多数。 金 恵淑 きむ へすく 韓国梨花女子大学校(第16代)総長。1886年大学創立以降初めて直接選挙により選出された。米国シカゴ大学より哲学博士(1987年)取得。梨花女子大学哲学科教授(1987年~)及び哲学研究所所長、韓国哲学会元会長、世界哲学連盟(FISP)運営委員及び世界女性哲学会(IAPh)理事、元大統領諮問政策委員。韓国憲法裁判所諮問委員・大学教育協議会理事・ユネスコ韓国委員会委員(2014年~)、著書『女性と哲学』『カント 哲学の境界』『女性主義研究の挑戦と課題』など多数。 金 恩實 きむ うんしる 梨花女子大学校教授、前アジア女性学センター長。1993年米国カリフォルニア大学(UC)で学位取得、1995年から梨花女子大学女性学科で教鞭をとる。韓国の国民・国家形成と近代化過程における女性の変容をテーマに、女性の身体(「身」)に関する近代性、民族主義について研究を行う。現在はグローバル化、知識および権力と女性、アジア女性、植民地等をめぐって、ジェンダー学、近代文化史学の立場から広く研究活動を行い内外に発信を行っている。主な著作に『女性の身体、「身」の文化政治学』『性解放、性政治』(共著)「民族談論と女性」「植民地知識人ナヘソックの近代性を問う」など。 他
-
過去から学び、現在に橋をかける ー日朝をつなぐ35人、歴史家・作家・アーティスト
¥1,980
教科書に書かれなかった戦争68 過去から学び、現在に橋をかける -日朝をつなぐ35人、歴史家・作家・アーティスト 朴 日粉(パク・イルブン)著 発行:梨の木舎 194頁 A5判 並製 定価 1,800円+税 ISBN 978-4-8166-1802-4 C0021 ●日朝交流に力を注いできた研究者や文化人や画家など35人へのインタビュー。 ●戦争前夜ともいわれるなかで、在日として一人の記者として話を聞き、 書き続け、「懸け橋」として立ち続けようとしてきた著者から日本社会への発信である。 【目次】 1 自分で考え、生きていくということ 「自分っちの排外主義をどうするんだ」 文芸評論家・斎藤美奈子 人びとの魂揺さぶる「人間賛歌」 作家・三浦綾子 「この国で覚悟せなんだら、何も言えへん」 随筆家・岡部伊都子 人のせいにしない、自分で考え、責任を引き受けて生きていきなさい 作家・吉武輝子(宮古あずさ) 愛せ! 怒れ! 勇気をもって闘え! ジャーナリスト・松井やより 2 気づきのために対話を重ねる 文化遺産守る平和の巡礼者 画家・平山郁夫 生涯かけて朝鮮観の歪みを正し、民衆の交わりを説く 古代史・上田正昭 他民族への畏敬の念を根本に 考古学・斎藤忠 「はじめに日本人ありき」の思い込み覆す 日本中世史・海民史・網野善彦 騎馬民族説ー朝鮮半島から多くの人々が日本に渡来した 考古学・江上波夫 「積石塚は高句麗に起源」、古代日朝交流の謎解明 考古学・大塚初重 3 声をあげ、行動しよう 日本現代史の闇を追いかけて 詩人・石川逸子 日本人の心の中に深く根をおろしているもの ジェンダー史・若桑みどり 悲しみの歴史が一人で立って、恨を背負う 免疫学者・能楽作者・多田富雄 「朝鮮人の死骸の目ん玉ば、からすが食うとよ」 画家・丸木俊 命ある限り、平和の大切さ訴えたい エッセイスト・海老名香葉子 在日の人は決して忘れない 元参議院議員・清水澄子 4 抑圧されている人の側で ジャーナリストは時代に批判的でなければ 編集者・安江良介 傲慢な権力、差別のシステムに怒りのペン ジャーナリスト・黒田清(矢野宏) 再び加害者の島になってはいけない 報道カメラマン・石川文洋 写真家冥利、厳冬の白頭山を空撮 山岳写真家・岩橋崇至 行動する作家、反戦へ桁外れの行動力 作家・小田実 5 過去の歴史に向き合うこと 「血で書いた真実を明らかにした」半生 歴史家・中塚明 「歴史の闇」を抉るひたむきな探求心と行動力 歴史家・山田昭次 言える時に言っておかねば 俳優・三國連太郎 大きな人間的魅力と包容力 政治家・久野忠治(近藤貞夫) 日朝の国交は2代にわたる悲願 政治家・宇都宮徳馬 6 助けたり、助けられたり、ほんとうの友だちとして 映画を通じて、日朝の懸け橋に 映画監督・山田洋次 助けたり、助けられたり。それが人間の基本 農民運動家・高橋良蔵 リーダーがまともかどうかは、朝鮮学校への態度で分かる 詩人・辻井喬 近い国だから仲良く、話し合ったら分かるはず 作家・渡辺淳一 安倍政権による「歴史認識のクーデター」 作家・辺見庸 あとがき 【著者プロフィール】 朴 日粉(パク・イルブン) 1954年島根県雲南市生まれ。 朝鮮新報文化部記者、2018年5月退社。ジャーナリスト。 著書に『明日に向かって』(彩流社)、『生涯現役在日朝鮮人―愛と闘いの物語』(同時代社)、『いつもお天道さまが守ってくれた―在日ハルモニ・ハラボジの物語』(梨の木舎)など。
-
旅行ガイドにないアジアを歩く 増補改訂版『マレーシア』
¥2,200
髙嶋 伸欣、 関口 竜一、鈴木 晶著 発行:梨の木舎 192頁 A5判変型 並製 定価 2,000円+税 ISBN 978-4-8166-1801-7 C0026 紹介 ◎初版は2010年に刊行してから、8年で完売。増補頁をカラー8頁で追加。 口絵写真も改訂し、本文32頁をカラー頁に変えました。新装増補改訂版を、 皆さんのもとにお届けします。 ●過去をを見つめ、未来をひらく、1人で歩けるガイドブック。「新たな出会いと交流」を書き下ろし、本文一部をカラーとして増補!マレーシアの過去と現在を、口絵カラー8頁、地図20点、写真190点と証言・コラムで案内する。追悼碑45カ所を紹介。 ●ガイドは30余年にわたり100回近い旅を重ねてきた高嶋伸欣さんと、二人の高校教師関口竜一さんと鈴木晶さん。 「マラッカ郊外の農村で村の食堂に入り手まねで注文した。待つ 間に年配の店員が出てきて「日本人か」と聞いた。「それでは戦 争中に日本軍がこのあたりで住民を大勢虐殺したのを知っている か」と。ここからわたしの長い旅がはじまった」(はじめに) 目次 第1章 マレーシアを知りたい 第2章 クアラルン・プール(KL)とその周辺 第3章 ペナン島とその周辺・タイ国境地帯 第4章 ペラ州 第5章 マラッカとその周辺・ネグリ・セン・ビラン(NS)州 第6章 ジョホール・バルとその周辺 第7章 マレー半島東海岸 第8章 東マレーシア(ボルネオ島) 【著者プロフィール】 高嶋伸欣 (たかしま・のぶよし) 1942年生まれ。琉球大学名誉教授。高校教諭だった1975年以来、東南アジアでの皇軍による住民迫害を調査。その記述を削除させた検定に対し、横浜で教科書裁判を提訴(1993)。81年度「日本史」教科書検定で沖縄戦住民虐殺の記述削除以来、沖縄戦と教科書問題にも取り組んでいる。 関口竜一 (せきぐち・りゅういち) 1959年生まれ。埼玉県立高等学校教諭。1988年よりにマレー半島の戦争被害のスタディツアーに加わり、主にマレー半島東海岸における日本軍政の実態を調査。平和のための埼玉の戦争展実行委員。 鈴木 晶 (すずき・あきら) 1960年生まれ。横浜市立高等学校教諭。大学講師。1995年よりマレー半島のスタディツアーに参加、主に東マレーシア(ボルネオ島)における戦争被害を調べている。アジアフォーラム横浜、教科書市民フォーラムなどの活動にかかわる。 上記内容は本書刊行時のものです。
-
旅行ガイドにないアジアを歩く シンガポール
¥2,200
髙嶋 伸欣(著), 鈴木 晶(著), 髙嶋 道(著), 渡辺 洋介(著) シリーズ・叢書「旅行ガイドにないアジアを歩く」の本一覧 発行梨の木舎 A5判 160頁 並製 定価2,000円+税 紹介 シンガポールは多民族国家、熱帯の工業都市、国際都市だ。ところで、日本が占領した3年半の間に、日本がこの国にしたことを、知っていますか。見て聞いて歩いて、アジアの隣人との関係を考えてみよう。 目次 1章 シンガポールを知りたい 1 「国語」を模索し続ける国 2 外国人労働力に頼る経済発展 3 発端は工業化の成功だった――工業立国の「救いの神」となった石川島播磨と三菱重工 4 中継貿易の衰退と観光業の振興 5 観光戦略の要は?―MICE! ――国際会議場や見本市の整備と誘致 6 投資国家化するシンガポール 7 国内治安法とマスコミ 8 厳しい選択課程の教育制度 2章 シンガポール史の中の日本 1 シンガポール略史 ――早くからあった日本とのつながり 2 シンガポール空襲からマレー沖海戦の「大勝利」へ 3 「大検証 」―― 日本軍による華僑虐殺 4 「 昭南島」の人びとの暮らし ――昭南神社・最敬礼・奉納金 5 日本の降伏――連合国の戦犯裁判 6 BC級戦犯裁判とは? 7 血債問題――遅れて掘り起こされた過去 8 第2次世界大戦――歴史教科書の記述 9 住民殺害を正当化できますか? 3章 エリアガイド (1)シティ・中心部 1 訪ねるたびに変貌を続ける街 2 ボタニック ガーデンBotanic Gardens(植物園)と「初代ゴムの樹」記念碑 3 軍政下の「昭南時代」―日本語が必修?! 4 晩晴園―南国の孫文記念館 5 戦後50年に政府が建てた記念碑 (2)チャンギ・東部地区 1 現在――チャンギ空港をひかえる住宅地 2 ウビン島上陸は陽動作戦 3 日本人墓地公園(The Japanese Cemetery Park) 戦後50年に政府が建てた記念碑 ・その2 (3)ブキティマ・北西部地区 1 現在――かつての激戦地、いまは自然保護区 ○ブキティマ地区の地図 2 戦時中――日本の上陸作戦ー 熾烈な攻防戦 3 暗黒の「昭南時代」 ―旧フォード工場記念館 Memories at OLD FORD FACTORY 4 戦後50年に政府が建てた記念碑・その3 (4)ジュロン・南西部地区 1 現在 赤道直下の工業地帯発祥の地―― 増え続ける埋め立て地 2 日本軍の上陸地点に残る傷跡 3 キャンパスライフ 4 戦後50年に政府が建てた記念碑 ・その4 (5)セントーサ島地区 1 戦跡の島につくられたアミューズメント・パーク コラム シンガポールの新聞が見た日本 ①「非 軍事部門で先駆的な取組みを」 コラム シンガポールの新聞が見た日本 ②「正しい理解をもって共生することだ」 (6)お隣りへ 1 マレーシア・ジョホール州へ、サクっと国境を越えて 2 日帰り周遊の旅――セカンドリンクをわたってジョホール州(JOHOR)南部へ 3 ビンタン島――巨大な総合リゾート 旅を続けるあなたへ――歩く・見る・考える 高島伸欣 参考文献 シンガポール史略年表 あとがき 索引 著者プロフィール 髙嶋 伸欣(タカシマノブヨシ) 1942年生まれ。琉球大学名誉教授。1993年横浜で教科書裁判を提訴。沖縄と教科書問題にも取り組む。『旅しよう東南アジアへ』(岩波ブックレット)『旅行ガイドにないアジアを歩く-マレーシア』(梨の木舎) 鈴木 晶(スズキ アキラ) 1960年生まれ。横浜市内高校教員。部活動「グローカリー」などで若者と近現代史の現場を歩く。『旅行ガイドにないアジアを歩く-マレーシア』(梨の木舎) 髙嶋 道(タカシマ ミチ) 元私立北鎌倉女子学園中・高等学校教員。教科書問題を考える 「教科書・市民フォーラム」の活動に参加。『育鵬社教科書をどう読むか』(高文研2012) 渡辺 洋介(ワタナベ ヨウスケ) 1970年生まれ。歴史研究家。シンガポール留学で12年滞在。「歴史教科書に見る『戦争の記憶』」(『シンガポールを知るための65章』(明石書店) 上記内容は本書刊行時のものです。
-
文玉珠 ビルマ戦線楯師団の「慰安婦」だった私 [新装増補判]
¥2,200
★朝日新聞2016年5月17日(火)に記事が掲載されました★ 教科書に書かれなかった戦争22 文玉珠 ビルマ戦線楯師団の「慰安婦」だった私[新装増補判] 哲学・宗教・歴史・地理 文玉珠(著/文 他), 森川万智子(著/文 他) 発行 梨の木舎 A5判 並製 定価2,000円+税 ≪紹介≫ 初版刊行以後19年、話題を呼び版を重ねた。敗戦70年目の今年、文玉珠の足跡をビルマ取材と新資料「朴氏の日記」によって裏付け、新装増補判として世に問う。 ≪目次≫ 1大邱に生まれて 2「満州」東安省へ 3南の国へ 4マンダレーの日々 5最前線へ 6地獄に近い島・アキャブ 7退却ープローム、そしてラングーン 8軍法会議 9解放、母のもとへ 解説・増補版に寄せて・増補版解説 ≪前書きなど≫ 「本書を、音楽の才豊かで、賢くて、負けん気が強くて、一所懸命で、弱いものにやさしかったムン・オクチュさんと、その苦しい記憶を証明することのできない、すべての元慰安婦の女性たちに捧げます」(著者 増補版に寄せてより) 1997年5月、著者は、元慰安婦文玉珠さんの足跡を訪ねて、軍事政権下ビルマに3度目の調査に入った。 3回のビルマ取材と新資料「朴氏の日記」によって、文さんの足跡をさらに裏付ける。 日本軍は、「戦争遂行のために、もっとも蔑んだ形で女性を軍人にあてがった」(著者) 第16回山川菊栄賞受賞 ≪梨の木舎より≫ 1996 年、「慰安婦問題」をはじめ、日本の歴史認識問題がクローズアップされていた頃、初版を刊行いたしました。これまで版を重ねて参りましたが、増補改定・新装版として刊行いたします。戦後70 年を迎え、日本(日本人)の歴史認識問題に一石を投じる書籍 ≪著者プロフィール≫ 森川万智子(モリカワマチコ) 1947年福岡県に生まれる 1965年山口県立下関南高校卒業 1966年~1986年下関郵便局などで働く、全逓労組の役員を15年間続ける 1987年~出版社、編集プロダクション、印刷会社などに勤務 1991年~フリーライター・エディター 1997年 本書により第16回山川菊栄賞受賞 1997 ~98年ビルマにビデオ・カメラをもって長期取材する 2010年~現在 介護施設経営。買春問題ととりくむ会会員 ISBN978-4-8166-1501-6 C3021 奥付の初版発行年月 2015年4月 書店発売日 2015年4月30日
-
倒せ独裁! アウンサンスーチー政権をつくった若者たち
¥2,200
倒せ独裁! アウンサンスーチー政権をつくった若者たち 山本 博之(著) 四六判 268頁 並製 2,000円+税 (カバー写真: Sai Zaw/The Irrawaddy) 民主化を求めて投獄されたビルマ(ミャンマー)の若者たちは、「獄中図書館」を開いた。むさぼるように学ぶことから、独裁政権への反撃は始まる。長い投獄の間に読み、学んだ若者たちが、釈放後、メディアや人権団体に加わって、再び声を上げ始める―― 小説『1984年』で独裁を描いたジョージ・オーウェルが、大英帝国の警察官として若き日々を送ったビルマ。1962年、軍がクーデターによって政権を握り、半世紀にわたって独裁を続けたビルマで、なぜ、どのようにして、2016年の政権交代は起きたのか? 1988年に民主化運動に参加し、四半世紀の間、運動を率いてきたアウンサンスーチーが訴えたこととは? 独裁に抗った人々の思いとは? 序 板挟みになったジョージ・オーウェル クーデター発生――独裁の始まり/「8888」デモ起きる/アウンサンスーチー登場/せめてジョークで/独裁の本質をつかんだジョージ・オーウェル/新聞は国営、雑誌は検閲/『1984年』の先へ 1 声明はひそかに配布された 日本から送られた声明――チョウマートエの物語/声明配って逮捕者46人?/「人には声を上げる権利がある」/獄房のトイレは丸見え/獄中で体重が36キロに落ちた column1 闘うコメディアン 2 学生も教師も投獄された 政治囚は7000人以上/「国は作り変え可能です」/アウンサン将軍も学生活動家だった/「知性を磨け」「本を読め」とアウンサンスーチーはいった/囚人仲間から学んだ?/教室は監獄の野菜畑/英語教師の誕生/独裁と日本の援助と/チェコのハベルにもアメリカのブッシュにも会った/恩師は日本へ/プリズノミクスのおかげ/獄中でのレジ袋の使い道/日本語は暗号/演歌が獄房に響いた/亡命メディアの登場 /詩人は生きる歴史書/ジャーナリスト誕生 column2 そんなに僕らが怖いのか 3 私たちは、獄中で世界のニュースを読んでいた 獄中で図書館を開設/『タイム』を読んで国連のことを学んだ/数十冊か、100冊か/私は司書だった/亡命メディア『イラワジ』の帰国/図書館は四つあった/獄中の翻訳者/ジャーナリスト、ウィンティンとの出会い/「私には口がある。話をするために口はある」/アウンサンスーチー宅での英語教室に出席/手製の辞典で1000単語を暗記/研究所設立を目指して京都大学へ column3 孤高の『ビルマ民主の声』東京特派員 4 声を上げる自由を得るために闘った ビルマ大使館に抗議に日参/看守を味方に/塀越しに本を投げ込め/母メーシンの中華料理店/東京五輪選手だった父ティントゥンの投獄/ラジオを聴いて獄中速報を発行/看守も学びたかった/憲法をめぐる攻防――アウンサンスーチーの抵抗/政治囚から国会議員に、大統領に/「真夜中は夜明けの先駆け」――獄中で書かれた1行/「フリーダム・オブ・プレス」「フリーダム・オブ・プレス」「フリーダム・オブ・プレス」/トイレットペーパーに針で穴を開けたノルウェーの囚人 column4 ビルマを迎え入れた東南アジア諸国連合 5 独裁の再来を防ぐために 「鎖国」に戻るか、民主化するか/「ザーガナーを自由に」――ロンドンで上がった声/教えられたことを覚えるだけだった学校/「教育を受ければ、服従しなくなります」/国民民主連盟が開校/ナチス政権を生んだ反省から――財団の役割/先人の手助け/援助する側も試されている column5 上のいいなりは独裁の始まり 6 独裁を倒す方法 不支持、不服従/本当の歴史を知るために、昔の本を探した/愛を強いる独裁者/国民民主連盟のナンバー2、ティンウーがシンガポールへ/「戦争は終わった」と日本語で叫んだティンウー少尉/「私にはグンジンセイシンがあります」/ネウィン将軍との出会い/ティンウー解任/ジョーカンドノに誘われて/アウンサンスーチーとの出会い/長い年月が準備した国民民主連盟創設者たち/「刑務所でいい友だちができました」/1人から始まる 終わりに/注/年表 【著者プロフィール】 山本博之(やまもとひろゆき) 1983年、朝日新聞社入社。大阪社会部、アジア総局(バンコク)、大阪企画報道室などを経て2010年退社。フリーランスに。 ISBN 978-4-8166-1606-8 C0031 2016年10月発行
-
アングリー ヤング ボーターズ 韓国 若者たちの戦略的選択
¥1,870
平和をつくる6 アングリー ヤング ボーターズ 韓国 若者たちの戦略的選択 李泳采(著) A5判 144頁 並製 価格 1,700円+税 「わたし投票に行くけど、一緒に行かない?」 2016年4月13日に行われた韓国の総選挙は、与党の大敗北と野党勝利という結果をもたらした。 20代と30代の戦略的な投票参加がその原動力だった。 韓国の若者たちは、「1票の権利」を諦めず、さまざまな方法で選挙に参加し、保守与党と朴槿恵政権に対する審判の途を選んだ。 アングリーヤングボーターズ(Angry Young Voters)ともいわれる、彼らの戦略的な投票は、韓国の民主主義を再び軌道に戻した。日韓関係は連携している、韓国の今とこれからを日本の読者につたえる。 【目次】 1章 「民主化」後を生きる者として ――「T・K生」と東アジアの状況について語る 2章 韓国の歴史的な4・13総選挙と若者たちの戦略的選択 ――韓国市民社会の闘いに日本はどう応えていくのか 3章 韓国の市民社会からみた日本の政治状況 ――『ハンギョレ』連載「世界の窓」より 4章 韓国の「反日」は、なぜ今も続いているのか? ――日韓国交正常化50年をたどる 【著者プロフィール】 李泳采(イ ヨンチェ) 1971年、韓国生まれ。恵泉女学園大学教員。98年来日、専門は日韓・日朝関係。日韓の市民団体の交流のコーディネーター、韓国語、韓国映画や映像を通して現代を語る市民講座の講師を務める。「ヤスクニの闇に平和の灯を!東アジア4地域(日本・韓国・台湾・沖縄)キャンドル行動実行委員会」事務局、光州5.18財団発行の「アジアジャーナル」海外編集委員。 著書に『韓流がつたえる現代韓国』(梨の木舎 2010)、『アイリスでわかる朝鮮半島の危機』(朝日新聞社 2010)、『なるほど!これが韓国か-- -名言・流行語・造語で知る現代史』(朝日新聞社 2006)、『朴正煕―動員された近代化』(曺喜?著, 李泳釆監訳, 牧野波訳 彩流社 2013)、『犠牲の死を問う』(梨の木舎 2013)、共著『東アジアのフィールドを歩く――女子大学生がみた日・中・韓のすがお』(梨の木舎 2014)、『東アジアのフィールドを歩く2――女子大学生がみた日・中・韓の辺境地』(梨の木舎 2016)など。 (上記内容は本書刊行時のものです。) ISBN 978-4-8166-1607-5 C0031 2016年8月発売
-
東アジアのフィールドを歩く2 女子大学生がみた日・中・韓の 「辺境地」
¥1,760
東アジアのフィールドを歩く2 女子大学生がみた日・中・韓の 「辺境地」 李泳采(イ・ヨンチェ)・ 恵泉女学園大学東アジアFSグループ 編著 発行 梨の木舎 112頁(50頁カラー) 定価1,600円+税 【News】2016.09.03 図書新聞にて紹介されました。 女子大学生が見て歩いて感じた東アジアの辺 境地11日間の奮闘記。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 緊張や葛藤がますます高まっている東アジアの中、女子大学生らが自ら日中韓の辺境地を訪問し、歴史や 文化を訪ねた。彼女たちは何を見て、何を食べ、誰と話し、どんな風に感じたか。 ●修学旅行の参考資料●国境を越える市民活動の書として。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日本海(東海)は◇の形をしている 巨大な海(池)である。それは、だれのものでもなく、共同の 生命の源泉である。 中心から排除された周辺や辺境地だからこそ、 この源泉を東アジアの共存と繁栄のために共有できるはずだ。 辺境地の絆こそ、東アジアの新しい未来の礎だ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 目次 1 わたしたちのフィールドスタディー ――日・中・韓の辺境地をめぐる11日間 2 それぞれのフィールド―― 歩いて、出会って、考えた 3 明日へ―― 東アジアの辺境地はわたしたちの希望だ ISBN978-4-8166-1605-1 C0022 初版発行年月 2016年5月 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【既刊好評発売中】 東アジアのフィールドを歩く ――女子大学生がみた日・中・韓のすがお 李泳采・ 恵泉女学園大学東アジアFSグループ [編著] ISBN978-4-8166-1402-6 C0022 ¥1600E
-
クワイ河に虹をかけた男 元陸軍通訳 永瀬隆の戦後
¥1,870
教科書に書かれなかった戦争 57 クワイ河に虹をかけた男 元陸軍通訳 永瀬隆の戦後 満田康弘(著/文 他) 発行:梨の木舎 四六判 並製 定価 1,700円+税 ●News 2016.07 著者・満田康弘氏が監督をされた映画「クワイ河に虹をかけた男」が岡山、東京、大阪などで上映中・公開予定です! ●紹介 たった一人の戦後処理 枕木1本、人1人といわれた「死の鉄道」(タイメン鉄道)の贖罪に人生を捧げた男の物語。いつも傍らに妻佳子さんがいた。 永瀬隆 1918年生まれ。陸軍憲兵隊の通訳としてタイ―ビルマ間を結ぶ泰緬鉄道に関わる。復員後、倉敷市で英語塾経営の傍ら、連合国捕虜1万3千人、アジア人労務者推定数万人の犠牲を出した「死の鉄道」の贖罪に人生を捧げる。タイ訪問は135回に及ぶ。本書はその長い道のりを20年にわたって取材してきた地元放送局記者の記録である。 ●目次 プロローグ 3 1章 たったひとりの戦後処理/初めてのタイ同行取材/テレメンタリー/カンチャナブリ/永瀬さんとの出会い/永瀬さんの生い立ち/泰緬鉄道と永瀬さん/オーストラリア人ジャーナリスト/たったひとりの日本人/カンチャナブリの戦争墓地/連合軍の墓地捜索隊/「マザー、マザー」/ジャングルの墓標/不思議な体験/クワイ河平和寺院/戦場にかける橋/本当のモデルは?/和解の再会/泰緬鉄道とは/JEATH戦争博物館/地獄の建設現場/「決して許さない」/スリー・パゴダ・パス/地獄の業火峠/元捕虜の冷たい拒絶 2章 アジア人労務者/元アジア人労務者に会う/声なき声/断崖絶壁の桟道橋/元米軍パイロットと会う/再びタイへ/大量の遺骨/ブーンタムさん/飯ごう一杯の恩義――看護学生に奨学金を/善意のメガネ/白骨街道/なつかしい顔/盛況の移動診療/ デイキンさんをしのぶ/ 3章 ナガセからの伝言/「ナガセ軍曹」登場/2人のナガセ/横浜の暑い日/カウラ事件/バターン死の行進/メーホンソン/日本兵を追悼する/クンユアム星露院/日本兵の夫を探して/タイ国鉄ナムトク線/ナガセからの伝言/オーストラリアの博物館/ ヘルファイヤー・パスを行く/クワイ河まつり/永瀬さんの「遺言」/ 4章 遠かったイギリス/ラジオ事件/子煩悩な父がなぜ…/「戦犯の子」と呼ばれて/ 届いた手紙/50年ぶりの再会/駒井さんの思い/特別感謝状/「親友」からのメッセージ/日英和解への動き/日の丸を焼いた男/青空の平和教室/クラウディア夫人を訪ねる/怒れる元捕虜/駒井さんの訪英/遠かったイギリス 5章 最後の巡礼/クワイ河を見下ろす銅像/佳子さんの異変/泰緬鉄道を世界遺産に/ 月日は流れて/永瀬さんの衰え/最後の巡礼へ/134回目のタイ巡礼/薄れゆく記憶/タイの「子どもたち」/ミャンマー国境へ/クワイ河の虹/佳子さんの不満/ 覚悟の手術/生きている証/4年ぶりのタイへ/まっすぐな心/喜びの再会/銅像と対面/よみがえる初巡礼/鉄橋の二人/兄に会いに…/コップン・カー/さらばカンチャナブリ/佳子さんとの別れ エピローグ/あとがき ●著者プロフィール 満田康弘(ミツダヤスヒロ) 1961年香川県多度津町生まれ。丸亀高校、京都大学法学部を卒業後、1984年、株式会社瀬戸内海放送(KSB)入社。主に報道・制作部門でニュース取材や番組制作に携わる。現在、報道制作ユニット岡山本社グループリーダー。2003年、ウナギにまつわる様々な謎を追った「うなぎのしっぽ、捕まえた!?」で日本民間放送連盟賞受賞など、ドキュメンタリー番組で受賞多数。 上記内容は本書刊行時のものです。
-
韓国人元BC級戦犯の訴え 何のために、誰のために
¥1,870
教科書に書かれなかった戦争64 韓国人元BC級戦犯の訴え 何のために、誰のために 李鶴来(イ・ハンネ)著 発行 梨の木舎 254頁 並製 定価1,700円+税 【News】 2016.09.01 週刊仏教タイムスにて紹介されました。 2016.06.22 毎日新聞夕刊にて紹介されました。 戦犯って何だ? 22歳の若者は、シンガポールの独房で、死刑執行の恐怖と8か月向き合ったー 「日本人」として裁かれ、「外国人」として擁護体制から切り捨てられた不条理を問う! 91歳の著者は、今も日本政府に謝罪と補償を求め続ける。 【本文より】 私の頭のなかに常にあるのは、死んだ仲間、その中でも刑死者たちです。彼らは、死刑囚だった私と同じく、誰のために、何のために死ぬのか、苦悶の時を過ごしたはずです。・・・ 故郷を離れ、日本軍の捕虜政策の末端を担わされ、日本の戦犯として責任を負わされて死んでいった仲間たちの無念を多少なりとも晴らすことは、生き残った私の責務なのです。 日本政府は立法を促す司法の見解を真摯に受け止め、立法措置を早急に講じるべきです。・・・ これは朝鮮人BC級戦犯者の私から、日本のみなさんへの問いかけです。 目次 1 「死の鉄路」の捕虜監視員 2 捕虜監視員になるまで 3 敗戦、逆転する立場 4 死刑判決と“俎上生活”の八ヵ月 5 スガモ・プリズンというところ 6 タクシー会社設立と遺骨送還運動 7 条理を求め裁判を闘う 8 日本政府の対応を求め立法運動へ あとがき 「何のために、誰のために」と問い続ける李鶴来さん 内海愛子 ●新聞投稿より ●特定連合国裁判被拘禁者等に対する特別給付金の支給に関する法律案 ●李鶴来・関連年譜 ●主な参考文献 ●本書を読むためのキーワード ISBN978-4-8166-1603-7 C0021 初版発行年月 2016年4月
-
東アジアのフィールドを歩く 女子大学生がみた日・中・韓のすがお
¥1,760
東アジアのフィールドを歩く 女子大学生がみた日・中・韓のすがお 李泳采(編著 | 編著), 恵泉女学園大学東アジアFSグループ(著/文 他) 発行梨の木舎 A5判 126頁 並製 定価1,600円+税 ISBN978-4-8166-1402-6 C0022 初版発行年月 2014年6月 本書は、恵泉女学園大学で行われているユニークな平和教育プログラム、東アジア社会コース体験学習(以下、東アジアFS)の学生による体験報告集。東アジアFSとは、国境を越えて日中韓のフィールドを実際に歩いて、それぞれの歴史や文化を比較体験し、また現地の若者や市民とのの交流を目指すトランスナショナルプログラム。 この本は女子大学生が、見て歩いて感じた12日間の東アジアの体験記。 【目次】 はじめに 李泳采、楊志輝、齊藤小百合 1 わたしたちのフィールドスタディ—日・中・韓をめぐる12日間 第1日 福岡・佐賀—朝鮮半島への架け橋 /コラム・福岡の強制連行から考える戦後責任 第2日 釜山・ソウル—朝鮮半島の玄関「釜山港」/コラム・戦後日韓関係と「韓流」の歩み 第3日 DMZ・春川—終わらない朝鮮戦争の現場 /コラム・第1のデートスポット「ナミ島」 第4日 ソウル— 植民地支配の遺産 /コラム・韓国はなぜ「反日」なのか 第5日 ソウル・仁川—近代港からアジアの港へ /コラム・韓国映画は北朝鮮をどう描いてきたのか 第6日 北京— 歴史の真実と記憶 /コラム・愛国教育から考える日中国交正常化 第7日 北京— 1000年を語る文化の都市 /コラム・北京オリンピックの華麗な花火とその影 第8日 北京・上海—中国の心臓部 /コラム・中国の運命を背負う新世代の指導者たち 第9日 上海— 多文化の街 /コラム・中国における日系企業の現況 第10日 上海—経済成長の「新天地」 /コラム・中国の経済は今後どうなるの? 第11日 釜山— 周辺から目指す中心都市 /コラム・釜山から韓国社会の行方が見える? 第12日 福岡—東アジア共同体を拓く /コラム・環黄海会議って何? 2 それぞれのフィールド—見て、聞いて、考えた *女性雇用の利点を考える—サムスン電子における女性積極採用策—秋元美穂 *中国における日系企業の労働事情—若者はなぜすぐ離職するのか—稗田美幸 *韓国社会における南北統一問題への関心—若者の認識を中心に—中村桃子 *中国における物流サービス業—日系物流サービス業の現状と課題—張璐穎 *韓国の非正規雇用の現状と課題—「ホームエバー・ハイパーマーケット」の女労働者問題を中心に—間宮美南海 *韓国民主化運動における女性の活躍—東一紡績工場における女性労働者の闘い—冨下莉子 *中国における水の問題—都市化による水汚染—浅沼玲奈 *在韓軍人軍属裁判(グングン裁判)とは—靖国合祀取り消し問題を中心に—斎藤こずえ *中国における日本の「動漫」文化—日中友好の架け橋の可能性は?—鴨志田幸穂 *中国の環境問題—大気汚染の現状と日本企業の取り組み—新野華奈 *韓国のK-POPの海外輸出と国家ブランド戦略 奥山友美 *植民地の記憶と現在—釜山・南浦洞を中心に—澤谷志織 3これから—東アジアはわたしたちの未来だ おわりに 【著者プロフィール】 李泳采(イ・ヨンチェ) 1971年、韓国全羅南道生まれ。恵泉女学園大学教員。98年来日、慶應義塾大学大学院法学研究科卒業。専門は日韓・日朝関係。日韓の市民団体の交流のコーディネーター、韓国語、韓国映画や映像を通して現代を語る市民講座の講師を務める。 共著に『なるほど!これが韓国か---名言・流行語・造語で知る現代史(朝日新聞社)』、『朝鮮半島と国際政治(慶応義塾大学出版会)』、『危機の朝鮮半島(慶応義塾大学出版会)』『韓流が伝える現代韓国』など 恵泉女学園大学東アジアFSグループ(ケイセンジョガクエンダイガクヒガシアジアエフシーグループ) 恵泉女学園大学は平和を目指し、自立する女性を育成することを教育の目標としている。そのために聖書・国際・園芸を3つの礎とした教育を行い、座学とともに体験学習を重要視しているユニークな平和教育を行っている。従来の短期・長期フィールドスタディー(FS)プログラムに加えて、2013年度に東アジア社会コース体験学習(以下、東アジアFS)が導入され、 8月29日から9月9日(12日間)まで実施された。東アジアFSとは、国境を越えて日中韓のフィールドを実際に歩いて、それぞれの歴史や文化を比較体験し、また現地の若者や市民との交流を目指すトランスナショナルプログラムである。 上記内容は本書刊行時のものです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【新刊発売】 東アジアのフィールドを歩く2 女子大学生がみた日・中・韓の 「辺境地」 李泳采・ 恵泉女学園大学東アジアFSグループ [編著] ISBN978-4-8166-1605-1 C0022 ¥1600E
-
原発をとめる・戦争をとめる
¥1,760
原発をとめる・戦争をとめる わたしたちの金曜行動+全国のさまざまなアクション+アジアの市民運動・ハンドブック 【編者】鎌田慧・広瀬隆・木幡ますみ・黒田節子・たんぽぽ舎・再稼働阻止全国ネットワーク 発行 梨の木舎 A5判 158頁 並製 定価1,600円+税 ≪紹介≫ あれから5年! 実り豊かな大地と人びとの日々の暮らしをフクシマの原発事故は奪った。 怒りと諦めとさまざまな思いが交錯するなかで、福島の人々は暮らしている。 3.11を過去のこととし原発再稼働に走る政府に、 反対の意思を掲げる人たちがいる。フクシマを忘れてはならない。 ≪目次≫ 電力自由化で原発に鉄槌を下す時期が到来した 広瀬隆 核支配社会からの離脱を 鎌田慧 ◎いま福島で 危険極まりない所に住民を帰すわけにはいきません。 木幡ますみ 「5年目のフクシマ」の怒りと悲しみ 黒田節子 地域と女が止める原発と戦争 野村保子 民主主義はいまや国会の外にあります。 上野千鶴子 原発ご三家(東芝、三菱重工、日立)は同時に兵器産業の大手 柳田真 渡辺寿子 ◎アジアの市民運動 今、韓国社会で何が起きているのか ー日韓両国の独裁政権への抵抗を呼びかける犠牲者たち 李泳采 雨傘運動とその後の香港 倉田徹 火力発電所はいらない!~ミャンマーの人々の声 田辺寿夫 市民運動の新しい方向をひらこう 山田和秋 コラム●おしどりマコ・ケンのカルチャーショックードイツの学生との熱い質疑 わたしたちの金曜行動+全国のさまざまなアクショングループ一覧(全93団体) 安保関連法案に関する決議をあげた地方議会一覧(521議会) (2015年4月1日〜2016年1月5日) ISBN978-4-8166-1602-0 C0036 初版発行年月日 2016年3月11日
-
ジェンダーの視点からみる日韓近現代史
¥3,080
ジェンダーの視点からみる日韓近現代史 日韓「女性」共同歴史教材編纂委員会(編) 発行:梨の木舎 A5判 360頁 定価 2,800円+税 日韓の研究者と市民運動家が、はじめてともにつくるジェンダーの視点による近現代史 ●日韓同時刊行!本書の編纂委員会は、2001年の秋以来、日本と韓国で交互に公開シンポジウムと会議をひらき、議論を重ねてきました。編集は、「国家」をこえ、ジェンダー・マイノリティーの視点に立つものです。これまでの日本と韓国のかかわりを見直し、市民の新たな歴史をつくっていくことをめざします。歴史を自己の問題としてとらえた女性たちの意欲的な試みです。 ●目次 1 日本帝国主義の拡張と「韓国併合」 2 3・1運動と社会運動の展開 3 日本帝国主義期民衆生活の変化 4 戦時動員と日本軍「慰安婦」 5 敗戦と朝鮮半島分断、朝鮮戦争 6 ウーマン・リヴと社会運動 7 女性運動と女性国際戦犯法廷 ●写真を多く掲載(180点余) ●多くの参考文献を紹介し、年表を添付 ◎高校、大学などで討論の材料として使ってください。 ●著者プロフィール 日韓「女性」共同歴史教材編纂委員会(ニッカンジョセイキョウドウレキシキョウザイヘンサンイインカイ) 日本側◇鈴木裕子・大越愛子・井桁碧・志水紀代子・中原道子 韓国側◇尹貞玉・鄭鎮星・朴貞愛・康宣美・申栄淑・金恵慶・ 李恵淑・金秀映・安真 上記内容は本書刊行時のものです。
-
ビデオ・メッセージでむすぶ アジアと日本 わたしがやってきた戦争の伝え方
¥1,870
教科書に書かれなかった戦争62 ビデオ・メッセージでむすぶ アジアと日本 わたしがやってきた戦争の伝え方 哲学・宗教・歴史・地理 神 直子(著/文 他) 発行 梨の木舎 A4判 185頁 並製 定価1,700円+税 ≪紹介≫ 何かのきっかけさえあれば、人は変わり動きだす! ●20代の若者が、ライフワークとして「戦争を伝える」を選んだのはなぜか? この10年の歩み ●「過去の戦争を知り、未来のかたちを考えるきっかけをつくる」ことを掲げ、戦争体験者のメッセージを記録し続ける ≪目次≫ 1章 戦後世代が、戦争の傷跡に直面 2章 ブリッジ・フォー・ピースの誕生 3章 ビデオ・メッセージの思いがけない反響 4章 BFPのコンセプトの成り立ち 5章 過去の戦争を知り、未来のかたちを考えるきっかけをつくる 6章 今の時代に大切なこと 前書きなど ≪著者プロフィール≫ 神 直子(ジン ナオコ) 1978年生まれ。青山学院大学文学部英米文学科卒業。一般企業人事企画本部勤務後、NPOに転職。2004年にブリッジ・フォー・ピースを立ち上げ、現在、代表理事を務める。 共著に『私たちが戦後の責任を受けとめる30の視点』(合同出版)、『未来の入会(いりあい)コミュニティ・コモン―市民がつくる地域力拠点 街を元気にする事例』(NPOメディアネットワーク) ≪はじめに≫ 私は、1978年に生まれました。敗戦の年は1945年ですから、30年以上がたっていました。中高生時代までは、「戦争なんて昔のこと」、「自分とは関係がない」と思って過ごしていました。将来、「戦争」と向き合い、「日本人」としてなにかをしたいと考えるようになるとは、想像さえもしていなかったことでした。年号の暗記が苦手で、歴史の成績はよくありませんでした。歴史を単なる出来事として学習していたので、そこに自分との距離を置いたり、壁をつくったりしていたのかもしれません。 そのような教育を受けていた私にとって、歴史を自分のこととして捉えていたドイツ人の女子高生との出会いは衝撃でした。 「私はドイツ人だと思われたくない。かつてナチスがやったことを思うと……」 そう言って、彼女は言葉を詰まらせました。 高校生のときに留学したイギリスでのことです。欧米諸国からの留学生十数人と、日本人五人の混成クラスの授業で、先生が「自分の国に誇りを持っている?」と質問したときに、真っ先に手を挙げたのが彼女でした。自国の歴史を自分に重ねて考えたことなんて一度もなかった私にとって、彼女の発言は驚きでした。「同じ年頃なのに、なぜ感覚がこれほど違うのだろうか」と不思議でした。 次の衝撃は、数年後の大学四年生のときでした。私は、日本の歴史を自分のこととして捉えたい、戦争の傷跡はどこまで深いのか知りたいと考えるようになっていました。青山学院大学の雨宮剛先生(現名誉教授)が主宰しているフィリピンへの体験学習のことを知り、参加することにしました。 三週間の旅程で、仲間は七人でした。 「日本人なんか見たくなかったのに、なんであんたたちはフィリピンに来たんだい!」 私たちに泣きながら詰め寄ってくるおばあさんがいました。新婚当時、夫を日本兵に連行されてしまった方でした。 自分の父親を含む家族12人を目の前で日本兵に殺された人にも出会いました。多くの遺族から直接話をきき、打ちのめされそうになりました。 戦争被害の話を突きつけられて、私の中でなにかが大きく変わり始めました。 これらの「生身の声」に触れたときから、日本人としての自分を強く意識するようになりました。自分のこととして歴史を少しずつ捉えられるようになっていったように思います。 初めてフィリピンを訪問してから三年後、新潟県のある住職から、戦時中に犯した行為を悔やみながら亡くなった元日本兵がいたという話をききました。その話に私は言葉を失うほど動揺しました。戦争は被害者のみならず、加害者にも深い心の傷を残す……。初めて知った瞬間でした。このことが私を突き動かしました。 2004年に私は、日本とフィリピンの戦争体験者の声を映像とともに記録し、日本とフィリピンで上映会を開催して、次世代につなげていくという活動を始めました。 10年の月日が流れた現在は、「過去の戦争を知り、未来のかたちを考えるきっかけをつくる」ことを目標に掲げ、これまでに撮りためた約280人の戦争体験者のメッセージ記録を活用したワークショップを開催するとともに、フィリピンだけではなく、戦争の爪跡が残るアジア諸国との交流活動をおこなうNPO法人ブリッジ・フォー・ピース(以下BFP)を運営しています。 100年経つと歴史は繰り返されると言います。世代が入れ替わるので記憶が風化し、同じ過ちが繰り返される一つのサイクルだと言うのです。2015年には、「終戦」時に20歳だった方は90歳、30歳だった方は100歳です。戦争体験者が一人もいなくなってしまったら、風化は避けられないでしょう。 戦後70年目の今、自分がやってきたことを次世代のために残したい。戦争体験者の生の声はもちろんのこと、日本を取りまくアジア諸国との交流など、私たちのこれまでの取り組みを紹介することで、未来に生きる人の役に少しでも立ちたい。 これは、戦後世代の私が、100年後、200年後、そしてその先の世代に遺したいメッセージです。「戦後」がずっと続くよう、心からの願いを込めて。 神 直子 2015年4月 ISBN978-4-8166-1502-3 C0021 奥付の初版発行年月 2015年5月 書店発売日 2015年5月1日
-
犠牲の死を問う 日本・韓国・インドネシア
¥1,760
教科書に書かれなかった戦争61 犠牲の死を問う 日本・韓国・インドネシア 高橋哲哉(著/文), 李泳采(著), 村井吉敬(著), 内海愛子(コーディネーター) A5判 158頁 並製 定価 1,600円+税 「犠牲の死」、あなたはどう考えますか? 靖国問題から犠牲の論理を問い続けてきた高橋哲哉さん、民主化運動の犠牲の意味を考えてきたイ・ヨンチェさん、インドネシアを歩いて、国家も追悼もフィクションだと実感している村井吉敬さん、3人が語る。司会は内海愛子さん。 【目次】 1.佐久で語り合う―「靖国と光州5・18墓地は、構造として似ているところがある」について 犠牲の死を称えるのか・・・・・・・・・・・・・高橋哲哉 ――光州5・18、安重根の行為、カトリックの列福式・・・について 死の意味を付与されなければ残された人々は生きてゆけない・・・・・・・・イ・ヨンチェ 国家というのはフィクションです・・・・・・・・・・・村井吉敬 ――犠牲を追悼することはフィクションの上のフィクションを作る行為 2.東京で語り合う 追悼施設につきまとう政治性、棺桶を担いで歩く抵抗、 国家の弔いには下心(野心)がある、 戦犯裁判を考えてこなかった戦後日本、等々について 【著者プロフィール】 高橋哲哉(タカハシ テツヤ) 1956年、福島県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。大学では専門の哲学のほか、「人間の安全保障」なども教える。ベストセラーとなった『靖国問題』(ちくま書房 2005)の他、『戦後責任論』(講談社 1999)、『国家と犠牲』(NHK出版 2005)など、著者多数。近著に『犠牲のシステム 沖縄・福島』(集英社新書 2012)、『いのちと責任』(大月書店 2012)高史明との共著、などがある。 李泳采(イ ヨンチェ) 1971年、韓国生まれ。恵泉女学園大学教員。98年来日、専門は日韓・日朝関係。日韓の市民団体の交流のコーディネーター、韓国語、韓国映画や映像を通して現代を語る市民講座の講師を務める。「ヤスクニの闇に平和の灯を!東アジア4地域(日本・韓国・台湾・沖縄)キャンドル行動実行委員会」事務局、光州5.18財団発行の「アジアジャーナル」海外編集委員。 著書に『韓流がつたえる現代韓国』(梨の木舎 2010)、『アイリスでわかる朝 鮮半島の危機、(朝日新聞社 2010)、『なるほど!これが韓国か---名言・流行語・造語で知る現代史』(朝日新聞社 2006)、『朴正煕―動員された近代化』(曺喜昖著, 李泳釆監訳, 牧野波訳)(彩流社 2013)など 村井吉敬(ムライ ヨシノリ) 早稲田大学大学院中退。東南アジア社会経済論。1975-77年、インドネシア・パジャジャヤラン大学留学。上智大学外国語学部、早稲田大学アジア研究機構教授(―2013年3月)。上智大学グローバル・コンサーン研究所客員研究員。2013年3月没。 著書に、『スンダ生活誌 変動のインドネシア社会』(日本放送出版協会 1978)、『小さな民からの発想 顔のない豊かさを問う』(時事通信社 1982)、『エビと日本人』(岩波新書 1988年)、『エビと日本人Ⅱ』(岩波新書 2007)、『ぼくの歩いた東南アジア』(コモンズ 2009)、『パプア 森と海と人びと』(めこん 2013)など多数 内海愛子(ウツミ アイコ) 早稲田大学大学院(社会学)修了。在日朝鮮人などマイノリティの人権問題に関心をもって活動・研究。日本朝鮮研究所、インドネシア国立パジャジャラン大学、恵泉女学園大学、早稲田大学大学院をへて、現在、大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター特任教授。 著書に、『朝鮮人BC級戦犯の記録』(勁草書房 1982)、『スガモプリズン――戦犯たちの平和運動』(吉川弘文館 2004)、『日本軍の捕虜政策』(青木書店 2005)、『平和の種をはこぶ風になれ』(梨の木舎 2007)(ノーマ・フィールドとの共著)、『東京裁判――捕虜関係資料』(全3巻)(共編著 現代史料出版 2012) (上記内容は本書刊行時のものです。) 【あとがきから抜粋】 私が大学生の時、光州は民主化運動の聖地だった。全国の大学生たちにとって、5月に光州を訪れ、望月洞墓地を巡礼することが、重要な儀式になっていた。しかし、当時は望月洞墓地の周辺、光州全体は戦闘警察に包囲され、韓国民主化運動弾圧の象徴でもあった。90年代、金泳三大統領と金大中大統領が登場して以降、真相究明が進められた。国立墓地が造成され、被害者への補償も行われた。今では、5月18日は国家記念日として、一部地域ではあるが記念式典の様子が生中継されるまでになっている。 「光州」と聞くだけで、私は胸が重くなり、複雑な感情を抱く。それは今でも変わりない。だが、30年を経った今日、日本やアジアの各地から多くの人びとが記念シンポジウムに参加し、観光などの形で光州を訪れるようになった。訪れることさえ禁止されていた時代を考えると、30年という時間の流れとともに、光州が訴えてきた韓国の民主主義のあり方が大きく変わってきていることを考えさせられる。 1998年、私は日本に留学した。留学前、韓国で考えていた靖国といえば、日本の首相が参拝し、戦争を美化する場所というイメージしかなかった。2006年8月15日、小泉首相の靖国「公式」参拝に抗議して、韓国や台湾から遺族を含め3000以上の人びとが来日した。当時、立命館大学教授だった徐勝先生から、いつものように突然、深夜に電話がかかってきた。ヤスクニキャンドル行動の「事務局をやれ」と言う。「こういう問題は、日本人自らやるべきです」と断ったが、「日本人自らやらないから」という返事だった。それ以降、「ヤスクニの闇に平和の灯を!東アジア4地域(日本・韓国・台湾・沖縄)キャンドル行動実行委員会」の事務局に毎年加わってきた。多くの人びとから「靖国の闇」の本質的な問題を学ぶ中で、日本社会の歴史問題が解決されないその根底に、靖国史観や靖国問題が根深く存在していることが少しずつ分かってきた。また、死者に対する美化や顕彰の問題は、日本だけの問題ではないと考えるようになった。 韓国でも国軍兵士や独立運動家の死に対する美化や英雄化は、国家主義やナショナリズムを形成していくうえで、重要なイデオロギーとして作用している。それだけでなく、民主化運動の象徴である光州事件の真相究明の後、望月洞の犠牲者が国立墓地に移葬された。彼らに暴力を加えた国軍の加害者と民衆の被害者が、同時に国家によって追悼されるという事態となった。日本国家が追悼という名の下に死者を美化することの問題性を訴え、靖国を批判すればするほど、韓国の民主化精神の象徴として光州事件の犠牲者を国家が追悼することの問題性も見えてきた。 軍国主義による犠牲の象徴である靖国と民主主義闘争による犠牲の象徴である光州は、質が違うものであり、その歴史も背景も経緯が異なっている。光州と靖国を同じ天秤にかけて比較することは、私の短い民主化運動の経験から見ても言語道断である。質が違うものを比較すること自体に違和感を覚える人も韓国民主化運動陣営には多くいるだろう。 光州の死者への英雄化と国立墓地への埋葬がなされ、民主化運動の抵抗の精神が形骸化されつつある現状を見ると、光州や韓国の民衆の犠牲に対して再び原点に立ち返り考える必要がある。光州出身であり、いわゆる光州精神で自分の民主化運動と現在の生き方を考えてきた者として、光州の現在の追悼のあり方に関して、今の時代だからこそ取り上げるべきだと思った。それは、まさに我々の中に存在しているもう一つの国家意識や構造的な暴力とも向き合いたいという気持からでもあった。・・・・・ 李泳采(イ・ヨンチェ) 2013年7月7日 ISBN 978-4-8166-1308-1 C0022 2013年8月発売
-
イスラーム魅惑の国・ヨルダンーシニアがゆく、灼熱のアカバ、古代都市ペトラ
¥1,760
イスラーム魅惑の国・ヨルダンーシニアがゆく、灼熱のアカバ、古代都市ペトラ 井上夕香 著 発行:梨の木舎 四六版 定価 1,600円+税 ISBN 978-4-8166-0301-3 アラビアのロレンス縁の地アカバで、風の様に馴染んで暮した作家が描く異文化世界。