村井宇野子の朝鮮・清国紀行
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教科書に書かれなかった戦争72
『村井宇野子の朝鮮・清国紀行 日露戦争後の東アジアを行く』
Murai Unoko’s Travel to Korea and Qing (April 14th-June 16th, 1906):
An Observation of East Asia in the Aftermath of the Russo-Japanese War
内海 愛子 編著
発行:梨の木舎
A5 並製 174頁
定価1800円+税
ISBN 978-4-8166-2106-2
漱石よりも3年前だった。新たな「帝国の版図」を、日本人女性が歩いた、軽便鉄道、軍用鉄道を乗り継ぐ全長8700キロの旅。
【はじめにから一部抜粋】
本稿は、明治の「たばこ王」と称された村井吉兵衛の妻、村井宇野子の六十日間におよぶ、朝鮮、清国の旅日記である。
(中略)
宇野子の夫、吉兵衛は、民営時代のたばこ業で財を成したが、日露戦争で国家財政がひっぱくする中で一九〇四年(明治三七)七月、明治政府はたばこ製造、販売を専売とした。家業を手放さざるを得なくなった村井吉兵衛は、その後、村井銀行を立ち上げるなど、多くの事業をおこしている。朝鮮での農場開発もその一つである。旅行は、この朝鮮の農場予定地の視察を目的としているが、さらに日露戦争で拡大した「帝国の版図」へと足をのばしている。日露戦争の戦跡が今なお生々しく残る清国を歩き、宇野子は何を見聞きしたのか。
【目次】
宇野子のたどった道(地図)
はじめに
◇東京を出発
◇玄海灘を渡る
◇釜山の街で
釜山地図
◇京釜鉄道に乗って
村井農場地図
◇大邱の駅で
◇朝鮮の首府 漢城
◇日本人の居留地 泥峴
漢城復元図(19世紀後半)
◇景福宮
コラム閔妃暗殺日本人には知らされなかった歴史の事実
◇大臣の家庭のありさま
◇龍山
◇仁川
◇平壌
仁川地図
◇新義州 京義鉄道の終点
安東~奉天間 臨時軍用鉄道地図
南満州鉄道安奉線線路図
◇九連城占領の記念日
◇安奉鉄道に乗る
◇本渓湖 隠密行の西園寺侯爵一行と出逢う
◇奉天 清朝の起こった地
◇鉄嶺 農産物の集積地
◇遼陽
◇大連 一億五千万円をかけた都市
◇旅順・旅順陳列場へ
旅順要塞概見図
◇二百三高に登る
◇東鶏冠山 北鶏冠山へ
◇二龍山 ロシア兵の埋まった
◇松樹山、望台
◇遼河を渡る
◇天津
◇北京
◇黄河を渡る
◇漢口
◇揚子江を下る
◇支店があった上海で
◇愚園
解説 新たな「帝国の版図を歩く」内海愛子 奥田豊己
村井宇野子と吉兵衛――その生い立ちと事業
宇野子と吉兵衛の旅
コラム 宇野子、60日間蒸気機関車の旅――高い鉄道技術と利権拡大
主な参考・文献資料
おわりに
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