-
敵対から協力へーベトナム戦争と枯れ葉剤被害ー
¥3,080
『敵対から協力へーベトナム戦争と枯れ葉剤被害ー』 教科書に書かれなかった戦争Part74 レ・ケ・ソン、チャールズ・R・ベイリー 著 北村元、野崎明、生田目学文、石野莞司、桑原真弓 訳 発行:梨の木舎 A5判 284頁 定価 2,800円+税 ISBN 978-4-8166-2205-2 C0030 戦争は最大の環境破壊だ! 戦争終結47年後の今もエージェントオレンジ/ダイオキシンは人と自然を破壊し続けている。 絶望的な脅威に向き合ったかつての敵2人の研究者が、世界へ発信する。 ウクライナ戦争のいまだからこそ私たちが知っておくべきこと。 1961年8月10日 枯葉作戦始まる1975年ベトナム戦争終了したが、 ベトナムにはエージェントオレンジにより傷ついた人々と大地が残された。 2007年2月(戦争終了後32年目)ベトナム人とアメリカ人による市民委員会「エージェントオレン/ダイオキシンに関するアメリカ・ベトナム対話グループが結成され、解決への大きな一歩を踏み出した。 本書はダイオキシン汚染の実態、被害者の現実、染色体損傷、森林破壊の影響、アメリカとアメリカ人のかかわり、被害者に必要な支援など。 目次 本書を故ヴォー・クイ教授に捧ぐ 日本の読者への手紙 レ・ケ・ソン 日本語版の読者のみなさまへ チャールズ・R・ベイリー 著者紹介 序文:戦争の痛手 エッセイ:私たちはいかにしてここにたどり着いたか、そして次の目標は何か 1章 :南ベトナムでは今もなおダイオキシン汚染が存在しているのか 2章 :エージェントオレンジ/ダイオキシンに誰が曝露したのか。また、ベトナム にはエージェントオレンジ被害者はどのくらいいるのか 3章 :ダイオキシンへの曝露は先天性欠損症と生殖障がいをもたらすのか 4章 :森林の生態はエージェントオレンジの撒布による影響から回復したか 5章 :アメリカ人はエージェントオレンジについて何を知り、どのように支援するつもりなのか 6章 :ベトナムはエージェントオレンジ被害者のために何をしているか 7章 :アメリカはこれまで何をしてきたのか 8章 :エージェントオレンジ被害者には何が必要か 9章 :エージェントオレンジの問題はアメリカもしくは他の地域の裁判所で解決 できるのか 10章:エージェントオレンジをめぐる2国間関係は時間とともにどのように変化し、 今日の状況はどうなっているのか 終章:エージェントオレンジの未来 謝辞 附録 1:ダイオキシンとは ? 附録 2:エージェントオレンジ/ダイオキシンに関するベトナム政府の最近の科学研究(2011~2015年) 附録 3:フォード財団助成金受領者:ベトナム・エージェントオレンジ/ダイオキシン・プログラム(2000~2011年) 附録 4:エージェントオレンジの55年:重要な声明、決定および出来事の年表(1961~2016年) 訳者あとがき 著者 レ・ケ・ソン(Le Ke Son) 1954年ベトナム生まれ。陸軍医科大学卒業後、医学博士号(毒学)を取得。2004年から2014年まで、天然資源環境省33委員会事務局長として戦争遺産処理の一番大事な時に、ダイオキシン汚染対策や被害者救援対策などに奔走。環境保護の国家管理に努め、国と人民に奉仕した。主な著作:『ベトナムのホットエリアにおけるダイオキシン汚染』(ベトナム語)、など多数。 チャールズ・R・ベイリー(Charles R. Bailey) 1945年生まれ。プリンストン大学卒業後、コーネル大学で博士号取得(農業経済学)。その後フォード財団駐在員として、バングラデシュ、インド、ネパール、スリランカで活躍。特にベトナムではレ・ケ・ソン氏とタッグを組んで、ダイオキシン除染の実現とエージェントオレンジに起因する枯れ葉剤障がい者支援に奔走。専門分野は公共政策。主な論文:“Delivering Services to People with Disabilities Associated with Exposure to Dioxin in Vietnam,” June 2, 2014, The Aspen Institute など。
-
わたしの戦後史
¥2,860
『わたしの戦後史』 95歳、大正生れ、草の根の女のオーラルヒストリー 戦争の「痛み」を知る世代が求め続けたもの 谷 たみ 語り 堀江 優子 編著 発行:梨の木舎 A5 並製 264頁 定価 2,600円+税 ISBN 978-4-8166-2001-0 C0021 戦争の「痛み」を受け継ぐということはどういうことだろう? 大正生れ、95歳の谷さんの戦後史から、その意味を考える。 語り手の明晰な記憶力と聞き手のすぐれた調査能力により浮かび上がる詳細な戦後の民衆史。人名や事項の充実に驚嘆する。 推薦・上野千鶴子(社会学者) 女も戦争の加害者だった...「黙っていたら戦争につながる」と声を挙げつづけた95年の生涯。 戦後日本の良心は、谷たみさんのような草の根の活動に支えられてきた。 ひとりの女性のオーラルヒストリーから見えてくる戦後反戦運動史。 【目次】 はじめに 1 人生の出発点 -戦時下に育ち、敗戦後の社会へ 2 堀川愛生園の子どもたちと暮らす 3 戦争責任を考える、市民運動に関わる 4 入管体制・国籍法の問題に関わる 5 「アジアの女たちの会」での活動 6 「慰安婦」問題に関わる 7 平和と人権、脱原発運動 注 おわりに 【著者プロフィール】 谷 たみ(たに たみ) 1924(大正13)年生れ。1944年9月東京女子大学高等学部卒業。1947年福島県の堀川愛生園に入職して14年間勤務。その後東京に戻り、中央公論社の校正の仕事に就く。ベトナム反戦運動に参加して以来、仕事や家庭生活の傍ら数々の市民運動に関わる。 堀江 優子(ほりえ ゆうこ) 1960(昭和35)年生れ。1983年東京女子大学文理学部史学科卒業。出版社勤務を経て、編集関係の仕事に従事。 共著に『自然なお産を求めて―産む側からみた日本ラマーズ法小史』(杉山次子・堀江優子共著、勁草書房、1996年)、編著に『戦時下の女子学生たち―東京女子大学に学んだ60人の体験』(教文館、2012年)がある。
-
広がる食卓 ーコミュニティ・レストラン
¥1,870
『広がる食卓 ーコミュニティ・レストラン』 世古 一穂 著・編 発行:梨の木舎 A5判 並製 定価 1,700円+税 ISBN 978-4-8166-1901-4 C0036 「分かち合いの経済」でいきませんか。全国のコミレスを紹介します! 2002年から始まった「コミュニティ・レストラン」は、コミュニティづくりやコミュニティ・ビジネスとして広がっています。そこで暮らす人たちが、日々の食事や、子育てや介護でつながり、分かち合う場所です。地域の楽しくユニークな実践を紹介します。 参加型・地域循環型社会の水先案内本です。 【目次】 1 コミレスってなあに? 「コミュニティ・レストラン」 ~公共する食卓の広がりとその可能性 世古一穂 2 モデルコミレスを紹介します 余市テラス 笑顔と笑い声がいっぱいの余市テラス 伊藤規久子 わたぼうしの家 笑顔あふれる月曜日 工藤洋文 がるだする つながる 声をだす 行動する 地域の茶の間がる 舘崎やよい 浅めし食堂 高齢者と若者3世代が集う食堂 三国亜希子 ここほっと ここに来れば、ほっとできる、ここほっと 浅見要 てまえみそ こだわり・うんちく・てまえみそで、人もまちも自分も元気に! 富田久恵 さくらcafe 管理栄養士が地域の食の悩み解決のお手伝い 新野和枝 原っぱカフェ 地域に根ざし、地域を超えたつながりを 浦田龍次 3 地域に広がるコミレス 北海道のコミレス 伊藤規久子 東京都のコミレス 世古一穂・船戸潔・朱恵雯 埼玉県のコミレス 浅見要 四国のコミレス 新野和枝 九州のコミレス 後藤武敏 あとがきに代えて「分かち合いの経済」をめざして 【著者プロフィール】 元金沢大学大学院教授 特定非営利活動法人 NPO研修・情報センター代表理事 コミレスサポートセンター全国代表・酒蔵環境研究会代表幹事 京都市生まれ。神戸大学文学部哲学科(社会学専攻)卒業。大阪大学大学院工学研究科博士課程後期修了。 1998年から「食」を核にしたコミュニティ支援を目的とするNPOの社会的起業モデルである「コミュニティ・レストラン」プロジェクトを立ち上げ、「コミュニティ・レストラン」のコンセプトを普及、コミレスを開設できる人材養成に取り組んでいる。
-
原発をとめる・戦争をとめる
¥1,760
原発をとめる・戦争をとめる わたしたちの金曜行動+全国のさまざまなアクション+アジアの市民運動・ハンドブック 【編者】鎌田慧・広瀬隆・木幡ますみ・黒田節子・たんぽぽ舎・再稼働阻止全国ネットワーク 発行 梨の木舎 A5判 158頁 並製 定価1,600円+税 ≪紹介≫ あれから5年! 実り豊かな大地と人びとの日々の暮らしをフクシマの原発事故は奪った。 怒りと諦めとさまざまな思いが交錯するなかで、福島の人々は暮らしている。 3.11を過去のこととし原発再稼働に走る政府に、 反対の意思を掲げる人たちがいる。フクシマを忘れてはならない。 ≪目次≫ 電力自由化で原発に鉄槌を下す時期が到来した 広瀬隆 核支配社会からの離脱を 鎌田慧 ◎いま福島で 危険極まりない所に住民を帰すわけにはいきません。 木幡ますみ 「5年目のフクシマ」の怒りと悲しみ 黒田節子 地域と女が止める原発と戦争 野村保子 民主主義はいまや国会の外にあります。 上野千鶴子 原発ご三家(東芝、三菱重工、日立)は同時に兵器産業の大手 柳田真 渡辺寿子 ◎アジアの市民運動 今、韓国社会で何が起きているのか ー日韓両国の独裁政権への抵抗を呼びかける犠牲者たち 李泳采 雨傘運動とその後の香港 倉田徹 火力発電所はいらない!~ミャンマーの人々の声 田辺寿夫 市民運動の新しい方向をひらこう 山田和秋 コラム●おしどりマコ・ケンのカルチャーショックードイツの学生との熱い質疑 わたしたちの金曜行動+全国のさまざまなアクショングループ一覧(全93団体) 安保関連法案に関する決議をあげた地方議会一覧(521議会) (2015年4月1日〜2016年1月5日) ISBN978-4-8166-1602-0 C0036 初版発行年月日 2016年3月11日
-
Messageヒロシマ・ナガサキそしてフクシマからあなたに届けます。
¥1,320
児童・絵本 広島あおむしグループ(著/文 他), 長崎北部ゆりの会(著/文 他) 発行梨の木舎 B5変形判 48頁 並製 定価1,200円+税 ISBN978-4-8166-1503-0 C0792 在庫あり 【掲載記事】大阪毎日新聞(備後版8月24日掲載)で「平和の尊さを伝える絵本 子どもたちに読んでほしい」と紹介されました。 http://www.jca.apc.org/nashinoki-sha/review/mainiti20150824messege.html 世界中の子どもたちに核のない未来を。長崎北部ゆりの会の「あの夏の日を忘れない 長崎の原爆1945.8.9」と、広島あおむしグループの「よぞら」の二冊の「布絵本」が一冊の絵本になりました。 ★「長崎の原爆」 2011.3.11 福島原発が破壊されたというニュースに、長崎の人たちは大きなショックをうけました。「原発も原爆も同じだ」。このとき「長崎の原爆」の布絵本をつくろうと思いました。 ★「よぞら」 火事が起きた生地屋さんの店先で、一枚の布との出会いがありました。捨てられる寸前だった深い紺色のビロードの布は「よぞら」になりました。 ★全国の布絵本のグループは、3.11の後、被災地の子どもたちに布絵本を送り続けています。2015年6月現在、一冊ずつ手作りの布・遊具の本1082点を送っています。 目次 *布の絵本「長崎の原爆」をつくったのは *あの夏の日を忘れない 長崎の原爆1945.8.9 *広島から届けるーー「よぞら」 *よぞら *ヒロシマ・ナガサキからフクシマへ *あとがき *あの夏の日を忘れない 長崎の原爆1945.8.9(英訳) 奥付の初版発行年月 2015年8月 書店発売日 2015年8月8日
-
現代リスク社会にどう向きあうか 小・中・高校、社会科の実践
¥3,080
現代リスク社会にどう向きあうか 小・中・高校、社会科の実践 坂井俊樹(編著 | 編著), 竹内裕一(編著 | 編著), 重松克也(編著 | 編著) 406頁 並製 定価 2,800円+税 私たちはいま、リスク社会に生きている。 原子力発電所事故と放射能、ダイオキシン、鳥インフルエンザ、BSEや口蹄疫、環境悪化による自然災害、さらには新自由主義に伴う格差や貧困、「領土紛争」などなど――。 このリスク社会にどう向きあうか。小・中高校の実践報告を中心にレポートする。 【目次】 1章 リスク社会における教育の観点と実践 2章 リスク社会が直面する諸課題 3章 リスク社会における教育実践 【はじめにより抜粋】 〈本書の試み〉 本書は、「リスク社会」という視点で現代社会を捉えなおし、この現代社会に向き合う教育実践のあり方を再構築しようという趣旨で構成している。グローバリズムの進展がリスク社会を必然化し、私たちは、今までとは異なる巨大で、同時発生または瞬く間に国境を越えて拡散する諸問題、しかも既存の科学技術や学問的知見では容易に解決しえない諸問題に遭遇、翻弄される現実に生きている。この新しい事態は、原子力発電所事故と放射能、ダイオキシン、鳥インフルエンザ、BSEや口蹄疫、社会的災害の性格をも持つ大規模自然災害、さまざまなウィルスの拡散、さらには新自由主義経済に伴う格差や貧困、資源獲得とナショナリズムがより強固になった結果の「領土紛争」など、解決が容易でないさまざまな多領域の問題発生を内容としている。 リスク社会への向き合い方は、当然、その解決の仕方や方向を同時に考え、提案していかなければならない。さもなければリスク社会の主張は、単なる将来への社会不安を扇動するだけのものであり、それを語ること自体が危険なものとなってしまう。リスク社会の向き合い方のポイントは、正確な情報伝達と、多くの人々との民主的なコミュニケーションの創造と広がりであり、また問題解決のためのネットワークの形成なども不可欠であろう。さらに既存の学問研究を相対化してみることも重要であろう。 以上のように考えると、教育実践においても、こうしたリスク社会に向き合う内容と方法をどのように開発していけばよいのか、その点が課題である。私たちは、2008年以来、新しい時代における市民教育のあり方についての議論と教育実践を追究してきた(『社会科教育の再構築をめざして―新しい市民教育の実践と研究―』東京学芸大学出版会も2009)。しかし2011年3月11日の東日本大震災は、私たちの考える市民概念の甘さを露呈し、その修正を迫ったのである。そして以後、リスク社会概念を導入し、市民性とその教育実践のあり方について集中して検討してきた。とはいっても、本書の各実践も、まだ明確な方向性を持った提案ができたわけではない。その点では、本書は現段階における私たちの中間報告としての意味合いを持つ内容としてご理解いただきたい。 最後になりましたが、各地の調査等にご協力いただいた関係者の皆様、および授業を作り上げてくれた児童・生徒の皆さんに深く感謝の意を表したい。合わせて、読者の皆様からのさまざまなご意見、ご批判を頂ければ幸いである。 (編著者を代表して・坂井俊樹) 【著者プロフィール】 坂井俊樹(サカイ トシキ) 東京学芸大学教育学部 ・『ゆれる境界・国家・地域にどう向きあうか』監修森田武、共編著、梨の木舎、2009年 ・『東日本大震災と東京学芸大学』(共著)東京学芸大学出版会、2013年 竹内裕一(タケウチ ヒロカズ) 千葉大学教育学部 ・『地理教育カリキュラムの創造』(分担)、古今書院、2008年 ・『増補版 身近な地域を調べる(東京学芸大学地理学会シリーズ)』共編著、古今書院、2009年 重松克也(シゲマツ カツヤ) 横浜国立大学教育人間科学部 ・『社会科教育研究の再構築をめざして―あたらしい市民教育の実践と研究』竹内裕一他共編著、東京学芸大学出版会、2009年 (上記内容は本書刊行時のものです。) ISBN 978-4-8166-1304-3 C0037 2013年3月発売